80話 文化祭、本番 ページ31
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文化祭当日。
『……あの、なんか……丈が……短い気が……』
「いいのいいの!文化祭はなんでもありだし!やっぱ似合うね〜!流石あたしの目に狂いは無かった!」
愛羅のおかげ?でキッチンから一転、ホール担当に加えられてしまったAは、用意されたコスプレ衣装に着替えて落ち着かない様子でスカートの裾を引っ張っていた。
と、そこにドクターのコスプレを身に纏った征十郎がやってくる。
「……高宮はキッチンじゃなかったのか?」
「あ、赤司君!そうだよ、あたしがホールにしたの!だってこんな可愛い子ホールにしないとかありえないじゃん?」
「……しかもコスプレはメイド服みたいだね」
「そう!このフリルたっぷりミニスカートと絶対領域のコラボがポイントだよ!」
楽しそうに話す愛羅の横で、じっと穴が開くほどAを見つめる征十郎。
「……ふぅん」
Aはまだ自分には短すぎるメイド服のスカートの丈を少しでも長くしようと下に一生懸命引っ張っていた。
頭にはメイドのカチューシャもちょこんと乗っている。
「赤司君はドクター?超似合ってんじゃん!」
「……あぁ」
しかし征十郎の声音が、何故か不機嫌そうなのでAが征十郎の方を見ると、若干だが眉間に皺を寄せていた。
が、それ以上は何も言わずすぐに立ち去ってしまう。
……やっぱり見苦しかったんだろうか、
自己評価がかなり低いAは、こんな見苦しい私がホールをやっても良いんだろうかと益々落ち込んだ。
けれどだからと言って自分の仕事を放棄する訳にもいかない。
超がつくほど真面目なAは、文化祭の時だけ……今だけとすぐに割り切って商品を乗せるお盆を手に取った。
『いらっしゃいませ。何名様でしょうか』
先日愛羅に教えてもらった接客の仕方で仕事をこなすA。
Aのクラスは文化祭本番が始まる前からなんだか凄いと噂になっていたので、ひっきりなしに客が訪れる。
愛羅が慣れた手つきで笑顔で客をさばく横で、Aも笑顔こそ無い相変わらずの無表情だったが、流石一通りの事は何でもそれなりに出来てしまうA。
数分も経てば客をさばく事に慣れたのか、自然な流れでテキパキと接客をする事が出来ていた。
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どろっぷ - すごく、おもしろかったです。更新、待ってます。 (2020年11月13日 19時) (レス) id: dcfe57966e (このIDを非表示/違反報告)
ふぐひらめ - すっげ………面白れぇ………更新、頑張って下せぇ!! (2020年9月7日 6時) (レス) id: 0b66878cc1 (このIDを非表示/違反報告)
仁王彩香 - ????? (2020年8月8日 11時) (レス) id: a60876bc3f (このIDを非表示/違反報告)
神崎セルザ@新垢2(プロフ) - 仁王彩香さん» 1ヶ月程また更新してませんでしたね……!申し訳無いです……!この後の展開を考えていたら少々行き詰まってしまいまして……笑 でも私も早く2人をもっと進展させたいので、また今週から更新再開させますね! (2020年7月5日 19時) (レス) id: 153d28bbbb (このIDを非表示/違反報告)
仁王彩香 - 更新お願いします。゚(゚´Д`゚)゚。 (2020年7月1日 12時) (レス) id: a3e64590b0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:神崎セルザ@復帰しました | 作成日時:2019年12月1日 20時