ドS彼氏の彼女攻略2【赤司征十郎】

75話　文化祭、準備 ページ26

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それから暫くして、文化祭でのAのクラスの出し物が決まったのは、部活でそんな話をしてから数日後の事だった。



クラスで協議した結果、お化け屋敷やタピオカ店、遊園地など定番のものが次々と上がる中、最終的にはこれも定番中の定番。



『コスプレ喫茶』をやる事になったのだ。



売り物はジュースに手作りお菓子など軽めのもの。
本番は、それぞれ半分半分キッチンとホールに別れる。



ちなみにコスプレは何でもありなので、きぐるみでもメイドや執事でもナースでも警察官でも。
何かのキャラクターのコスプレでも良いらしい。



『……コスプレか』

「高宮はどっちになったんだ？」

『え？』

「キッチンか、ホールか」

『……一応、キッチン……だけど』



放課後にAは征十郎に話しかけられた。
征十郎は基本的に、普段もそうだがイベントごととなると尚更クラスでは女子生徒達に囲まれてAに話しかけにくくなるのだ。



席も近い訳でも無く、終始クラスの中は騒がしかったのでAがキッチンとホールどちらになったのか、気にはなってもその時は知る事が出来なかった。



「へぇ」

『……でも、私調理なんて出来ないし……キッチンで良かったのかどうか……けどかと言ってホールになっても……はぁ』



溜息をつくA。
まだ普通のお店なら接客でもただ単に商品を渡すだけなのでAにもなんなく出来るが。



コスプレ喫茶となると、ホールになれば必然的になんらかのコスプレをしなければならない。
それは恥ずかしかった。
だがキッチンも料理の苦手なAは役に立てるか分からない。



これがせめて、お化け屋敷や遊園地、普通の店だったら……とAは何度も思ってしまい、憂鬱な気分になっていた。



『赤司君は、ホールだよね』

「あぁ。まぁ、あの女子達が居る限り僕はキッチンにはさせてもらえないだろうな」

『……人気だもんね、赤司君は』



そして征十郎は勿論ホール。
今日はクラスの女子達が、征十郎になんのコスプレをさせるかでかなりの激論を繰り広げていた。



結局今日の段階では決まらなかったみたいだが。



明日からはいよいよ文化祭の準備も放課後に始まる。
Aはもう一度溜息をつくと、征十郎と2人で部活に向かった。



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