ドS彼氏の彼女攻略2【赤司征十郎】

72話　プリクラ ページ23

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「なんか3人証明写真が居るんだけど！！！」

「真顔じゃない！せめて微笑むぐらいしても……」



はぁ、と玲央が溜息をつく。
小太郎の言う通り千尋とAと征十郎が真顔だったのだ。
しかも３人共全く口角が上がっていない。
完全に証明写真の時のそれである。



『……すみません、笑顔は作るのが苦手なので……』

「そういえばそうだったわね……じゃあAちゃんは許すわ！問題は征ちゃんと黛さんよ！」

「僕はただ笑顔にしろと機械に命令されるのが気に食わないだけだ」

「俺はめんどくさいだけ……というか逆に俺が笑顔だったらお前ら驚くだろ」

「……はぁ。そうね、２人共性格が見事に出てるわね」



この2人には何を言っても通じないと早々に諦めた玲央だった。
しかしそうなると今度は永吉に目が行く。



「で、あんたは何でどれも筋肉をアピールしてるのよ！」

「1人だけポーズガチ勢ですね……」

「あ？プリクラなんてこういうもんだろ？」

「あんた増大に勘違いしてるわよ……」



結果、７人中ちゃんとプリクラらしいポーズや笑顔を決めたのは、やよいと小太郎と玲央の３人だけという中々悲惨な事になった訳だが、最も最初からこのメンバー全員が普通に撮れるとは思っていない訳で。



これはこれでバスケ部らしいと、出てきたプリクラを７等分にハサミでやよいが切って皆に渡していく。
Aも一枚貰うと、じーっと物珍しそうにプリクラを見つめた。



「高宮さんどうしたの？」

『……いや、私誰かとこういうの……写真とかも撮った事無いのに……初めてがこんな大勢でって、何だか凄いなって……』

「ふふ、じゃあ良かったね……！皆ばらばらのポーズしてるけど……」

『これ、くれるの？』

「もちろん！」

『……ありがとう、大事にするね』



不思議そうにプリクラを眺めていたAが顔を上げる。
そして大事そうにプリクラを抱えると、嬉しかったのかふわりと笑った。



「え、え、え、え！」



Aを見ていた全員の表情が固まる。



「なんだ笑えるんじゃない！そうよ、今の笑顔でプリクラも……というかAちゃん元から可愛いけれど笑うともっと…」

『え？』

「高宮さん可愛い！！」

『……？』



しかし当の本人は無自覚だったのか、やよいに思わず抱き着かれても何故抱き着かれたのかは分かっていない様子。
そしてその様子を見て、征十郎はますます不機嫌そうに顔をしかめるのだった。




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