ドS彼氏の彼女攻略【赤司征十郎】

9.バスケ部 ページ10

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結局、器用さが問われる事や料理系のものはやよいが担当することになって、Aはそれ以外の事を主に担当させられる事になった。



そんな慌ただしいAにとっての最初の部活動が終わり、自分の分の仕事が終わった瞬間さっさと帰り支度を始めるAにやよいが一緒に帰ろうと話しかけるが……



『……私急いでるから』



と、かわされてしまった。
自分の鞄を持つと足早に体育館を出ていく。



「難しい子だなぁー、どうしよう黛さん俺あの子と仲良くやってける気がしない！！」

「……別に無理に仲良くなろうとしなくて良いだろ。向こうもあまり人と関わりたくないって感じだったし最低限会話しとけば良いんじゃねーの」

「でもさ〜……赤司はどう思う？」

「……高宮は誰に対してもああだからな」



クラスでも常に不機嫌そうな仏頂面をしているので、誰もAに話しかけようとはしない。
授業が終わればすぐに帰ってしまうし、休み時間は大抵本を読んでいるかぼーっと窓の外を眺めているかフラッと何処かに行っているかだ。



征十郎ですらAの事で知っている事は他の生徒となんら変わりはない。
ただ高宮という苗字は聞いたことがあった。
確か名家だったはず。
征十郎が知っているという事はそこそこ名の知れた名家であることは間違いない。



とすると高宮はお嬢様なのか？
帰り支度をしながら思考を巡らせる。
あれだけ色々な事がそつなくこなせるのだ、そういった教育を受けている可能性がある。



「じゃあ明日お昼に一緒に食べようって誘うのはどうですかね？」

「別に良いけどよ、さっきみたいに断られるんじゃねーか？」

「ん〜……」

「なら僕が誘ってくるよ」

「あ、そっか、赤司君って高宮さんと同じクラスなんだっけ。そしたら私たちが誘うよりも赤司君から誘った方が来るかもしれないかな」

「……まあ正直どっちもどっちだが。だが僕が誘うからには必ず連れてこさせる」



鞄の荷物整理が終わったのか征十郎はチャックを閉めながら淡々と言う。
征十郎もAとはあまり仲良くないが、確実にAが誘いを受ける方法は知っていた。



部活の諸連絡があると言えば、必ずAは着いて来ざるをえない。
根は真面目な性格だから部活絡みの大事な事となると断れないと踏んだらしい。
今日という僅か一日でAの性格の本質を見抜いた所は流石征十郎という所だった。



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