ドS彼氏の彼女攻略【赤司征十郎】

32.コンビニ ページ33

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しかしまだ根本的な問題が解決したわけではない。



Aの兄、親。
どちらも気になる。
でもAは自ら話さない。
そうなると、こちらからも聞きにくい訳でどうしたものかと征十郎は悩んでいた。



そんな何とも言えない日が続いていたある日。
思いのほか早く、征十郎はAの兄と直接対面する事になる。



それは、あくる日の部活終わり。



「ねーねー、皆で帰りにコンビニ寄ってかない？」



小太郎の提案で、たまには良いかとレギュラー＋やよいとAでコンビニに行く事となった。
Aはあまり乗り気という訳では無さそうだが。



そんなに時間はかからない、と征十郎が言うと少し悩んだ後ついてきた。



「私何食べようかなぁ……チョコかソーダで悩むなぁ」

「やっぱ部活終わりはアイスだよね〜！」

「唐揚げだろ」

「夜ご飯前にそんなの食べたくないわよ！私もアイスにするわ」

「黛さんは？」

「俺もアイスで良い」



わいのわいのと各々何か一つ食べたいものを選ぶ。



「高宮は何にするんだ？」

『……じゃあ、これで』



Aが取ったのはバニラの棒アイス。
征十郎も少し悩んだが、Aと同じものを手に取った。



それらをまとめて買って、コンビニの前で食べる。



『……こんな事したこと無いから何か新鮮……』

「え、コンビニで買って食べた事無いの？！」

『……コンビニで買うのはありますけど、大勢でこうして買ってすぐ後に食べるって事は無いので……』

「あら！でもなかなか皆と一緒に食べるのは美味しいでしょ？」

『……そうですね』



Aが棒アイスを食べながら、僅かに口元を緩ませる。
いつもより少し柔らかい表情。



最初は人と関わるのなんてめんどくさいと思っていたけれど。
バスケ部の皆と過ごすうちに、たまにはこういうのも良いなと思うようになってきた。



皆が騒いでる所や、しょうもない話をして言い合いになったり。
見てるだけでも、飽きない。



皆個性は強くて変わってる所ばかりだけど、こんな不愛想に接してた自分にも他の人と変わらず接してくれた。
それだけで少し嬉しい。



『……』



なんだかんだ、ちょっとだけ楽しいなと思ったAは食べ終わったアイスの棒をゴミ箱に捨てた。



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