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まだ大量に校舎内には生徒が残っている。
逃げたくても逃げれないのか、逃げ道はとっくのとうに塞がれていて。
唯一残されたまだ燃えていない階段もいつ崩壊するか分からない。
そんな時、またも向こうから鈍い音が聞こえてきて。
爆発音と似ているようでそうでない音。
何だろうと私達が向かいの方を見ると、丁度校舎が崩れ落ちる所だった。
「……え?嘘……え……?」
「あれ、学校は……?何が起きて……」
「……Aちゃん!ね、ねぇあっちの校舎……何で……嘘、幻覚とかだよね?何も……無くない……?」
『……』
学校って、もっと丈夫だと思っていた。
絶対壊れないと思っていた。
目の前の光景を受け入れるのに時間がかかった。
嫌なことがあって、学校なんて無くなってしまえばいいのに、そう思った時は何回かある。
でもそれが、本当に目の前で起こった時。
非日常がやってきた時。
悲しい、そんな気持ちとあんな事思わなければ良かった。
後悔が頭の中を支配していく。
何だかんだ言って、楽しかったのに。
思い出が全部消えていくようで、燃えて無くなってしまうようで。
壊れていく瞬間、向かいの校舎の窓に人影がたくさん写っていた。
まだ逃げ切れていない子達が結構居たんだと思う。
……そもそも爆発音はこっちの校舎より多かったはずだから……。
誰か一人でも逃げ切れた子は居るのか。
分からない、別の校舎に居た私からじゃ何も。
そんな事を私が思っているうちに、周りの子は段々とこの事態を現実のものだと認識するようになった。
また泣き叫ぶ声が聞こえる。
死にたくない、早く逃げなきゃ、って。
でも私は、皆とは違う方向に走り出す。
まだ、まだ間に合う。
全壊する前に、早く生き残った子達をこっちの校舎まで連れてくるんだ。
私も死ぬかもなんてどうでも良い。
約束したの、先生と。
助けられるかもしれないと少しでも思ったら、迷わず助けに行けって。
全員救う事は無理だけど、何十人かは救えるだろう。
一人でも、多く。
友達の静止する声も振り切って、私は半壊した校舎までの渡り廊下を走ったんだ。
2.3人、私の後を追った友達が居たのも覚えている。
それを境に、画面から私と友達の姿が消えた。
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フルーツタルト - すっごい面白いです!一人でうーんってずっと考えて読んでます 。無名ちゃんって、りおさんのこと?難しいなぁ。 (2018年1月9日 14時) (レス) id: 5b005f25dc (このIDを非表示/違反報告)
寝夢 - どんどん解決に向かってきてる!!けど、終焉の少女って誰?!うーーん、やっぱり夢主ちゃんですかね?.....誰なんだ、? (2017年7月9日 8時) (レス) id: 0f597acb7e (このIDを非表示/違反報告)
神崎セルザ@復帰しました(プロフ) - エコロさん» おひさしぶりですー!!壊れ?!それは災難でしたね……(・д・`;) どうでしょう笑 さぁさぁもっと考えるのです!←笑 (2017年6月15日 13時) (レス) id: 98008e40b1 (このIDを非表示/違反報告)
エコロ - 神崎さん、お久しぶりです(( 3DSが壊れてidが変わりましたが気にせずに!! まさか、無名ちゃんが放送室の!?(( (2017年6月5日 20時) (レス) id: 520a9242e6 (このIDを非表示/違反報告)
神崎セルザ@復帰しました(プロフ) - えみさん» 感動系のお話を考えるのも好きなんです笑 何というか、考えさせられるようなお話に出来たらなぁと笑 ありがとうございます! (2017年5月28日 14時) (レス) id: 98008e40b1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:神崎セルザ@復帰しました | 作成日時:2017年4月3日 15時