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122.放送室にリベンジです ページ29

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ダンッ!!



ダンッ!!



転送しました。



もう馴れてしまった銃声と機械音。
止まったら数多く居るゾンビさんの餌食になってしまう。
ひたすら走る、放送室を目指して。



息を切らせながら一階につくと、割りと静かだった。
ゾンビさんの声もしない。
キオク、とか特殊な化け物も居ないようだ。
無名ちゃんの気配も無い。



「……放送室、戻ってきたで」



今吉さんの言葉に、目の前を見ると放送室と書かれたプレートが風もないのにゆらゆらと揺れている。
ここまで走ってきたけど、結構どたばたと足音はしたはずだけど、放送は1回も鳴らなかった。



放送室に近付いても、何もスピーカーから聞こえない。



『……』



言い出しっぺですから、と高尾君が率先してドアノブに手をかけた。
私が開ける、なんて言い分は通らなかった。
赤司君に駄目だと怒られたから、ドアからは少し離れて高尾君を見守る。



「……んじゃ、行くわ」



最後に一呼吸置いて、高尾君がドアノブを捻った。
また鍵が閉まっているのか、それとも良く分からない力ですぐさま閉められてしまうのか。
二通りの事を考えたけど、意外にも放送室のドアはそんな私の予想に反して。



すんなりと、開いた。



開け放たれたドア。



「……え?」



高尾君が拍子抜けしたような、それでいて驚いたような声を上げる。
後に続いて私達も中を覗くと……誰も居なかった。
真ん中には高級そうな黒い椅子。



触れてみると、まだ温もりが残っていてついさっきまで誰か居たような雰囲気だ。
でも、机の下も棚の中も隠れられる場所は探したけど誰も居なかった。



いや、そんな事より。



「……なるほどね、ここは放送だけじゃなく監視も行っていたということか」



放送用のマイクの前にはたくさんのモニター。
そこには学校の廊下やら教室の中に居るゾンビさんの姿が写っている。
監視カメラ……でもあったのだろうか。
気付かなかった。



「……ねぇ、これ」



リコさんが、何か見つけたみたいで全員に透明な袋の中にあった黒い何かを見せる。
それはUSBで、同封されていた白い紙には



生徒管理。
卒業記念、思い出用撮影記録。
6年のみ。



と、やけに達筆な文字でそう書かれていた。




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フルーツタルト - すっごい面白いです!一人でうーんってずっと考えて読んでます 。無名ちゃんって、りおさんのこと?難しいなぁ。 (2018年1月9日 14時) (レス) id: 5b005f25dc (このIDを非表示/違反報告)
寝夢 - どんどん解決に向かってきてる!!けど、終焉の少女って誰?!うーーん、やっぱり夢主ちゃんですかね?.....誰なんだ、? (2017年7月9日 8時) (レス) id: 0f597acb7e (このIDを非表示/違反報告)
神崎セルザ@復帰しました(プロフ) - エコロさん» おひさしぶりですー!!壊れ?!それは災難でしたね……(・д・`;) どうでしょう笑 さぁさぁもっと考えるのです!←笑 (2017年6月15日 13時) (レス) id: 98008e40b1 (このIDを非表示/違反報告)
エコロ - 神崎さん、お久しぶりです(( 3DSが壊れてidが変わりましたが気にせずに!! まさか、無名ちゃんが放送室の!?(( (2017年6月5日 20時) (レス) id: 520a9242e6 (このIDを非表示/違反報告)
神崎セルザ@復帰しました(プロフ) - えみさん» 感動系のお話を考えるのも好きなんです笑 何というか、考えさせられるようなお話に出来たらなぁと笑 ありがとうございます! (2017年5月28日 14時) (レス) id: 98008e40b1 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:神崎セルザ@復帰しました | 作成日時:2017年4月3日 15時

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