119.助かりました、感謝します ページ26
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『……分かった』
俯いて、小さい声でぽつりと呟く。
そんな風に思われたことが無かった。
周りの人達は皆、私の事を避けていたから私が何を言おうと何をしようと無関心で。
何か面と向かって悪口を言われるよりも、まるで誰もそこに居ないかのように無視されるのが一番精神的に来た。
人は1人では生きていけない。
たまに聞くこの言葉の意味が良く分かる。
1人ぼっちなら生きてる意味なんて無いと思うときもあったから。
でも、死のうとすれば死のうとしたでせっかく生き残れたのに、自ら命をたつなんてそんな罰当たりな事……なんて言われ。
居なくなってしまったたくさんの友達の分まで責任を持って生きろと押し付けられ。
重圧に耐えられなかった。
そんな事を言うなら、何であんたも死ななかったの?なんてそんな矛盾してる事を言わないでよと思ってた。
『……ありがとう、……』
ただ、赤司君の言葉で少し心が軽くなったのは事実。
こういう時、どんな表情をしていたら良いんだろう。
とりあえず、余計な事は言わずに感謝だけしていれば良いんだろうか。
「……じゃあ、まぁ……行くか。」
笠松さんの一言で、教室から出る。
私が怖くならないようにか、落ち着かせるためか、がっちりと私の手は赤司君に握られている。
相変わらず何故か恋人繋ぎだ。
そして空いているもう片方の手はこれまた何故か玲央先輩が私の手を握っていた。
『……えーと……?玲央先輩……あ、えっと実渕さん、あの、手』
私が勝手に私の先輩だというように記憶を作り替えてしまったから、先輩と呼ぶのは少しあれかと言い直してさん付けで呼ぶ。
すると横に居た実渕さんは吹き出した。
「ふふっ、別に先輩付けのままで良いわよ、むしろそっちの方が楽ね。今更さん付けで呼ばれるなんて何だか他所他所しくて笑っちゃいそう。」
『え、でも……私が勝手に……元々知り合いにすらならなかったかもしれな』
「細かいことは良いのよ、なら今から先輩になるって事で、ね?先輩呼びで大丈夫……というかそう呼んで欲しいわ」
『……玲央先輩、』
「そうそう、やっぱりしっくり来るわね」
ありがとう、と笑う玲央先輩。
つられて私も笑うと、俺も先輩呼びで別に構わないと千尋先輩に言われ。
……何か、優しい人達ばっかりだなぁと今度は自然に笑みがこぼれた。
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フルーツタルト - すっごい面白いです!一人でうーんってずっと考えて読んでます 。無名ちゃんって、りおさんのこと?難しいなぁ。 (2018年1月9日 14時) (レス) id: 5b005f25dc (このIDを非表示/違反報告)
寝夢 - どんどん解決に向かってきてる!!けど、終焉の少女って誰?!うーーん、やっぱり夢主ちゃんですかね?.....誰なんだ、? (2017年7月9日 8時) (レス) id: 0f597acb7e (このIDを非表示/違反報告)
神崎セルザ@復帰しました(プロフ) - エコロさん» おひさしぶりですー!!壊れ?!それは災難でしたね……(・д・`;) どうでしょう笑 さぁさぁもっと考えるのです!←笑 (2017年6月15日 13時) (レス) id: 98008e40b1 (このIDを非表示/違反報告)
エコロ - 神崎さん、お久しぶりです(( 3DSが壊れてidが変わりましたが気にせずに!! まさか、無名ちゃんが放送室の!?(( (2017年6月5日 20時) (レス) id: 520a9242e6 (このIDを非表示/違反報告)
神崎セルザ@復帰しました(プロフ) - えみさん» 感動系のお話を考えるのも好きなんです笑 何というか、考えさせられるようなお話に出来たらなぁと笑 ありがとうございます! (2017年5月28日 14時) (レス) id: 98008e40b1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:神崎セルザ@復帰しました | 作成日時:2017年4月3日 15時