元カレ9（yuta.t）

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買い置きしてたカップラーメンにお湯を入れて、
運ぼうとした時に

腰の激痛でバランスを崩してこぼしてしまった。

こぼすまでは良いんだけど



溢れたスープを思い切り自分にかけてしまったから




「あっつい…」



Tシャツを脱ぎたくても上手く脱げなくて、



熱さと痛さで泣いてたら



ピンポンが鳴った

出れないでいれば、携帯が遠くで鳴っているけど、取りに行くことすらできないでいると

ガチャリとドアの開く音



高「Aちゃん？入るよ」




「高野くん」



高「…どうしたの？」




「カップラーメンこぼしちゃって」



高「え？ちょ、服にも掛かってるじゃん。早く脱ごう」




脱がしてもらって見れば、スープがかかった腹部は真っ赤で



高「とりあえず冷やさないと」



濡らしたタオルを真っ赤になってる場所にそっと押し当てたくれた




高「…痛かったでしょう」


「うん」



高「LINE気付かなかった？」



「うん」



高「そっか。
ごめんね、定時で帰ってこようと思ったんだけど最後お客さんに捕まっちゃって」




氷水にくぐらせた冷やしタオルで患部を冷やしてくれて

ヒリヒリする皮膚が冷やされることで鎮まる




高「着替えのTシャツどこにあるかな？」




「寝室の、クローゼットの中の引き出し」




高「寝室入っても平気？」



「うん」







着替えさせてもらって、

高「捕まって」



首に腕を巻きつけて、抱っこしてもらって、

私がこぼしたカップラーメンを片付けてくれる




高「まだ痛いよね？」




「だいぶ楽になったよ」



高「ご飯作るから」



「…ほんとごめん。ありがと」



スーパーの袋が二つ
中から食材を取り出して、
手際よく作ってくれて




高「今日病院まで大丈夫だった？」




「タクシーのおじさんすごい親切だったの」



高「そっか。
よかった。


今日も電気治療？」



「うん。
電気やるとほんと楽になる」




高「明日も病院？」



「うん。
様子見て明日で通院は終わりかも、って。」



高「分かった」







分かったって…どゆこと？

突っ込まなかったけど、気にはなるよね。





パパッと3品を作ってくれて、

「いただきます」



高「はい、どうぞ」





どれもこれも美味しい



後片付けしてる後ろ姿を見ていると、振り返りもせずに

高「明日、俺もいくから」



「え？どこに？」



高「病院」



「タクシー呼ぶから大丈夫だよ」



高「…正直、今日一日本当キツかった」

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