元カレ9（yuta.t）

423 ページ23

お酒の力もあって、
結構、高野くんは崩して話してくれるようになった。



「ホント美味しかった」



高「スープの素のおかげ」




「私一人だったら手際悪すぎて今食べ始めてたかも」




高「何でもさ、要領つかめばすんなりできると思う」




「高野くんは仕事覚えるのも早いもんね」




高「それは必死なだけ」





「いきなりノルマとかちょっとプレッシャーやばいもん」




高「でもAちゃんなら
すごく親身で、お客様の要望掴み取るの上手いから初めてのお客様とかすごい安心して頼めると思う」




「聞かれたことすんなり答えられればね」





高「それはもうさー、経験じゃない？」






「そうだよねー」







先輩の話、上司の話。
今日のお客様の話。
こんな話ができるのは高野くんだけ。



「高野くんは旅行どこ行くの？」



GWズラして、
下見研修がてら3日間の休暇がある。

旅費も50%負担してくれる。



高「国内かなー」




「私も国内考えてた。」




高「先輩が九州行くって言うから、
東北とか行こうかな、って」




「東北どこ？

私も東北考えてたんだよね」





高「マジで？」





「6月って、南の方って梅雨入りしてる可能性高いし、
東北なら大丈夫かな。って」





高「確かに。そこまで考えてたんだ」






「宮城とか、青森とか？
でも東北6県回りたいところだけど、3日間じゃ難しいよね」




高「岩手でわんこそばとか」





「あぁ、楽しそう。」




高「でもさ、一人でわんこそば…虚しくない？」





「たしかにwww」




高「6月の平日、しかも3日間とか
友達みんな予定合わないしね」





「そこなんだよねー」




高「彼氏は休み合わせられないの？」





「無理かなー」





高「聞くだけ聞いてみたら良いじゃん」





「…聞いてみるだけ、、
聞いてみようかな」









スマホを確認すれば1件のメッセージは裕ちゃんからで、、


メッセージ開かずに、携帯を伏せた









「片付けよ」




高「あ、うん」





食べたものと空き缶をシンクに運ぶ




高「いいよ、あとで洗うから」




「…洗い物くらいする」





高「…どうしたの？」





「え？」




高「いや、急にテンション変わったなーって思って」




「ごめん、
なんでもない」








こういう時、
彼氏と休み合わせて旅行したり…
なんて今までそんな願望なんてなかったのに、









え？？


ふわっと頭の上にある大きな手



高「あっ」

424→←422

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す