元カレ9（yuta.t）

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「え？浮浪者？」



涼「多分この中で寝たかったんじゃない？
めっちゃウロウロしてたから。」



「…そうだったんだ。
ごめん、こんな夜中に人騒がせだよね」



涼「結果変質者じゃなくて良かったけど、
何かあってからじゃ遅いから」



玉「涼太、助かったわ。
Aの事連れて帰るから」




涼「何で兄ちゃんなの？
俺でもよくね？」



玉「いや、俺だろ」



涼「超絶不安な時に俺の顔見てホッとしたんだよ？
ってか、Aちゃん、俺が良いっていうかもしんねーじゃん」



玉「A、どうする？」




「えぇ？」






…そんなさ、二人のうちどちらかだなんて選べないのに…



「涼太くん、

涼「マジ？」



「ごめんね、裕ちゃんに送ってもらうね」





涼「もしまた困ったことあったら、
いつでも連絡して！
兄ちゃんより早く助けに行く自信あるから」



「ありがとう」



玉「じゃ、帰り気をつけて。」


って涼太くんの事を二人で見送って




玉「実家帰る？」



「え？」




玉「どっちでも良いけど…」




「………」







先週、様子が変だなぁと思ってたのは
気のせいなんかじゃなくて



でも、私は



「実家に帰るよ」





そう言えば、



歩いて家の前、
玄関の前まで送ってくれた。




「本当こんな非常識な時間にごめん。」



玉「全然いいよ。
むしろ頼ってもらえて嬉しかった」




「じゃあ、おやすみ」


玉「おやすみ」




「気をつけてね」




昔からそう。
私が家の中に入るまでその場にいてくれた。







日曜、早めにホテルに戻って、
ゆっくりして月曜から変わらずの研修。


仕事終わってご飯食べて部屋でテレビを見てれば
裕ちゃんたちが歌番組に出てて、



新曲出したんだなーって知る。



週末、こっちの都合も聞かずに半強制で迎えに行く、って夜中に来るのも、今週はない。


土日は研修先ホテルの近くをプラプラして、
大きな公園まで足を伸ばして、
池の鯉を見たり、
まったり過ごした。




…だけど今頃何やってるのかな、って頭に浮かぶのは裕ちゃんのことで。



…忙しすぎて部屋の中ごっちゃごちゃなんじゃないかな？
洗濯物溜まってないかな？
とか。



カバンの実家の鍵に一緒についてる裕ちゃんちの鍵を取り出した。







…彼女でもないのに行くなんておかしいし、


そもそも合鍵なんて持ってちゃダメだよね。





そっとカバンに入れて、
帰り道、たい焼き屋さんで買って食べ歩きしながらホテルに戻った

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