転生先は残酷でとても美しい世界だった【進撃の巨人】 (ページ45)

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…ナナバがこんなにも感情を剥き出しにしているところを初めて見た。

…友達、仲間…ね。
いや勿論思っている。思っているけれど…

ナナバ「それにハンジを助けたとして、その救済が君を犠牲にしたものならば…きっとハンジは、酷く自分を責めると思うよ…」

…

A「そう、ね……そうね………」

私は、ナナバの顔が見れなかった。

私達は壁外調査を終え、壁の中へと戻ってきた。

今回はどこかの馬鹿がやらかしたせいで、普段の1.5倍ほど被害が大きくなってしまった。

私達に投げかけられる言葉はいつも通り、罵倒、罵倒、罵倒。

そしてたまに、

「かっけー、！！」

…このように、まだ世界を知らない幼気な少年少女の、調査兵団に憧れる声。

…正直、罵倒よりもこちらの方が心にくるわ…

いずれは、あの子達も世界を知る。真実を知る。
今はあの子達を…騙しているようで、罪悪感が募るばかり。

本当…嫌になるわ…

部屋に戻ってきた。
同室のハンジは医務室で寝かされている。

今この部屋には、私1人。

私はベッドに腰かけ、天井を見上げる。

A「…っふ、…ぅ…ぁ…うぅ………〜〜っぁあ"ｯ…」

今更また、手が震える。

喉が震える。

目が熱い。

目から水が溢れ、頬を伝って顎の先から流れ落ちる。

こわかった、なぁ…

A「あぁぁ…っぅ、…っひ、うぁ…ぐ、…〜っ」

私は夜が更けても、声を上げ、涙を流し続けた。