ベランダの恋＿2

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食器もコップも洗い終わって、
机の上にあったお鍋もコンロに戻した。

最後に机を吹いて片付け完了。




北山さんは仰向けの体勢から、
横向きに変わってて体を丸く縮こませて寝てる。

寒いのかな。


ブランケットは見当たらないから、
さっきまで北山さんが着てたパーカーがあったからそれを持って
北山さんに近づいてかけてあげた。



やっぱり、北山さんの横顔って綺麗。

鼻も高いし、まつ毛も長くて
唇の形もいい。




って、
北山さんが寝てるのをいい事に
ジロジロ見ちゃってるし。



帰ろう。



そう思って離れようとしたら
北山さんは目をつぶったまま、
さぞ当たり前の様に

私の膝に頭を乗っけてきた。




｢きっ、………｣



膝枕じゃん、これ！！！


こんなの今まで付き合った人にも
したことないんですけど…！！！



固まって動けずにいる私とは対照的に
私の膝で気持ちよさそうに寝息を立てる北山さん。




これ、どういう状況？！？！



｢……き、たやまさん？｣



呼びかけても起きないし困った…。



でもどうにかしないと
私の心臓が破裂しそうだから
北山さんのお部屋をキョロキョロして
近くにあったクッションに手を伸ばす。


私の膝から、
寝心地が良さそうなあのクッションにバトンタッチしていただこう。




でも、
あと5センチってとこで届かない。



｢……もうちょっと…｣



お膝の北山さんが落っこちないように
全神経を集中させてギリギリまで手を伸ばすと
指先が少しクッションに触れた。



そのままなんとかもがいて
クッションを手繰り寄せようとしてると
北山さんの頭が動き出して。



えっ、やだ。

この状況で北山さんが起きられたら…！



必死になって届いたクッションを手に掴むと、
自分の真下から


｢ごめん、寝ちゃった？俺｣


って北山さんの声が聞こえてきた。



｢きっ、きたやまさんっ！｣



ほんと膝枕とか無理だし、
そんな下からのアングルとか絶対私二重アゴになってるし！！



だから思わず
掴んだクッションで北山さんに蓋をした。←

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