恋愛のススメ〜北山の場合〜

81 ページ31

ー


ニカちゃんとの飲み会の日。




結局あれからも北山さんはお店に来てない。


私のせいだし、なんか悪い気もする。

元々ずっと前から
北山さんは常連だったわけだし。


電話しようかな。

いや、LINE…？


何度もケータイを手に取るけど、
結局何もしないままで終わっちゃった。







ニカちゃんが予約してくれた居酒屋さんに
友達と向かう。



｢ニカちゃん、おまたせ｣

｢お、A！こっちこっち｣



ヤンチャな面影はあるものの、
ニカちゃんのお友達はみんな良い人で
結構盛り上がってる飲み会。


みんな若いから、ノリも若くて。

久しぶりに結構飲んじゃった。




恋に発展するかは分からないけど、
みんな仲良くなって。


また飲もうねー、
なんて連絡先交換したりしてる。


お開きになって
それぞれ帰る方向が同じ人同士で別れた。







｢A駅行くでしょ？一緒に帰ろ｣


ニカちゃんに呼ばれて、一緒に帰ることに。



お会計を済ませて居酒屋の引き戸を開けた。






:
:





専門の時のダチから電話かかってきて、
4人で飯に行った。


この前のBBQん時、
ゆっくり話せなかったからちょうどいい。



飲みながら懐かしい話に花を咲かせてると、
終盤になってひょこって座敷の角から誰かが顔を出す。



｢ミツ先輩っ｣

｢…誰だよ、こいつ呼んだやつ｣

｢まぁいーじゃん。
ちょっとくらい一緒に飲んでやれよ｣


“お前に会わせろってまじでしつこいんだよ”
って隣の奴から耳打ちされる。



ジロって愛華を睨むけど、
まったく効いてない。


結局愛華も加わってそのまま飲みは続く。





･






｢ミツ先輩〜酔っちゃった｣

｢くっついてくんなっつの｣



剥がしても剥がしても、
俺の半身にぴったりくっついてくる。

わざと胸をすりつけてくんな。



正直に言うと、
1度だけ抱いたことはある。


それでもすんげぇ昔の話で。


しつこいから切りたいんだけど
中々しぶといんだよ、コイツ。





｢このままお泊まりしません？｣

｢しねぇって。早く帰れ｣

｢もー、冷たい〜｣



駅までだぞ、って約束して
愛華を送ってると目の前の居酒屋から数人男女が出てくる。

82→←80

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す