死神様のお仕事８【刀剣乱舞】 (ページ3)

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仕事~51 ページ3

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『そうだな、この真実が世間に知れわたれば、まず歴史の教科書や資料集の出版社が内容の大幅な訂正かつ再発行に追われる羽目になるだろう』←

大和守「あっ、そこを心配するんだ」

『ついでにテレビ番組では数多くの特集が組まれる。歴史学者の引っ張りだこだな』←←

乱「意外と現実的だね」

事実Aは書類整備のとき、こんな具合に世間が騒ぐ様子を想像して少し楽しんでいた。

『だが、人に知られる前に時間遡行軍がこの情報を得たということだ』

信濃「あれかな、自分の娘を入内させてないくせに地位を得たのが許せなかったとか？」

『おそらく。だがすでにこれらはこの国の歴史として成り立っている。過去に偽りがあったとしても、それを後から覆してはいけない』

それに全員が首肯する。

たとえどんなに悲しくても、恨めしくても、歴史を修正することは禁忌だ。

『詳細は政府を訪ねた後に伝えるが、その少女の、いわば真の中宮の名前は“祥子(しょうこ)”という。歳は十二か十三だ。…その頃は数え年だから、いまいち正確な年齢が把握できないな』

中宮の歳を聞いた加州が、ぎょっとして身を乗り出す。

加州「え、え？ちょっと待って、入内したのってそんな子どもだったの？！俺てっきり大人なのかと思ってたんだけど」

石切丸「この時代は何かと早かったからね、女性は十二歳ですでに成人として扱われていたんだよ」

三日月「加州のいた頃とは、少し背景が違っていたからなあ」

ええぇ、と情けない声を出した加州は肩を下げて、そっとAを振り返った。

加州「どうしよA、俺ほんとについてけないかも…てか、Aは驚かないの？」

『え？まぁ、普通というか…

……いや嘘だ普通ではないな断じて普通ではない。あ、あれだ、歴史の教科書に書いてあったのだ。あの類(たぐ)いはほとんど暗記している』

堀川「すごいや、Aさんは本当に勉強熱心なんですね」

『まぁな』

なんとか誤魔化せて、かつ褒めてもらえたのでAは薄い胸を張った。

そして彼女のなかで、ボロが出そうになったら教科書のせいにする、という手が徐々に確立しつつある。

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