みえないモノをみる。 【文スト】

白虎と相対＿＿捌 ページ20

「……何ですか？」

『いや本人に訊いちゃ駄目でしょ！』



暫く唸り乍ら私を見ていたあっくんだが、どうやら思いつかないらしい。

私は仕方ないなと思いつつ、現職ぐらいは教えてあげようと口を開く。



『一応今は、請負人(うけおいにん)的な事をやっている。平たく云えば代理人』

「へぇ……例えばどンな事をやっているンですか？」

『えー、除霊とか、幽霊屋敷の調査とか、暗殺とか、誘拐とか、実験台とか、ヤンデレの相手とか、そんな事を依頼されるかな』



私が云うと、サ――……と皆の顔が蒼褪めて行く。ああ、一般人にはちょいとキツ過ぎる内容だったか。まあ武装探偵社員だから大丈夫だと思っちゃったけど。



「……す、凄いですね」

「……そ、そうだね」

『あ、じゃあ私が経験しためっちゃ怖い話聞かせてあげよ「それじゃあ此処の払いは宜しくバイバイッ！」えっちょっおい』



私は太宰に俵のように抱えられ、半ば無理矢理にうずまきの外に出された。

太宰は人気のない路地裏まで私を連れてくると、顔をぐん！ と近づけて云った。



「いいか、何度も云ってるだろう君の話は最早凶器だ。殺人兵器と云っても過言ではない」

『いや過言だと思いますが』

「煩い。とにかく絶対に私の前で話さないよう。判ったね？」

『え、でも私米国(アメリカ)で凄い怖い体験し』

「わ、か、っ、た、ね？」

『うっす』



一音ずつ区切って云われ、さしもの私も沈黙せざるを得なかった。お前アレだな、今からでもマフィア復帰出来るよ。



「はぁ……本当止めてくれよ、私最早アレトラウマになりかけてるのだよ？」

『何時の話だよ』

「七年前」

『もうほぼ忘れかけてるだろソレ』



掛け合いをしつつ、私は端末を開き地図を確認する。



『太宰、あのビルまでの道ってほぼ変わってないよな？』

「え？ ……ああ、あそこ？ 行くの？」



見るからに嫌悪感を滲み出させる太宰。うっせーな、私だって出来れば行きたくねーよ。

私は端末のメールの欄の通知を太宰に見せた。

真顔になる太宰、ちなみに通知の欄にはこう書かれていた。


＿＿＿＿＿

未読：182件
＿＿＿＿＿


「……嘘でしょ」

『残念ホント』

ロリコンに嫌悪＿＿壱→←白虎と相対＿＿漆

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す