“うちは”は暗闇に沈む (ページ42)

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資格ページ42

ｻｽｹ side

「申し訳ないけど、強めに縛り直させてもらったから。」

俺の横にしゃがむAは俺の口元に貼ってあるテープを勢いよく剥がした。

テープを剥がされた口元が痛くて、もがけば今度は手首が痛む。

「……っ！」

「ごめんね、でも緩くしちゃうと逃げるでしょ？」

痛みに思わず声をもらした俺に、Aは申し訳なさそうに眉を下げた。

＿＿＿何も話す気はない。

その思いを込めて、Aを睨み付けたが目が見えないのだ。
Aはその視線に気付かず俺が話すのを待っている。

「何が聞きたい。」

その静けさに耐えきれず、俺はそうAに聞いた。

「え？」

「何が聞きたいのか聞いてるんだ。」

「うーんとね、さすけはまだいたちさんのこと恨んでる？」

「ああ…。」

Aの質問に答えながら、手首を締め付ける縄を動かす。

なるべく話し、バレないようにする。
コイツは目が見えないから、気付かないだろう。

「そっか…。あのさ、いたちさん何でうちは一族を殺したんだろう？」

案の定、Aは気付かずにベラベラと俺の横で喋っている。
この調子なら、抜けれる。
話しを続けなければ。

「さあな。お前には関係ないだろ。」

「何で？」

「うちは一族は写輪眼を皆持つ。目の見えないお前なんかにうちはを名乗る資格はないだろ。」

俺の言葉に、Aがハッと息を飲むのと俺の手首から縄が取れたのはほぼ同時だった。

「でも…」

「もうお前に言うことはない。縄から抜け出せたしな。」

まだ口を挟もうとするAの手元に縄を投げると、俺はAが何か言う前に倉庫を出ていった。