“うちは”は暗闇に沈む (ページ37)

今日:8 hit、昨日:13 hit、合計:59,576 hit

並ぶ家紋ページ37

サスケの後を追うように教室に入って来たAを、驚きや哀れみを持った視線が突き刺した。

「あーあ…来ちゃった、どうせすぐ死んじゃうでしょ。可哀想にねェ。」

「先生も酷いよねー…まだ子供じゃん？あの子ってば。」

「私たちだって子供じゃん！」

一見、哀れむ様な言葉を投げ掛ける周りの子供たちだが、その口許は笑顔で釣り上がっている。

A は目は見えないが、変わりに発達した耳や鼻がその言葉をクスクスと押し殺すような笑い声に、反応しないはずがない。

＿＿＿だが

「あ、隣いい？」

その言葉をAは軽々と無視し、サスケの隣の席へと座った。

「…ちょ、無視？てかサスケくんの隣に座ってンだけどっ！」

「でもさーあ…サスケくんとあの子、結構仲いいじゃん。」

そんなAに非難の言葉をあげる女子は少なくない…いやむしろ多かった。

それでも、真っ正面から文句を言えないのはAが男の子であり、アカデミーに居たときのAとサスケの仲の良さからだろう。

「あっ…でもさーあ。」

そんな二人の姿に、思い出した様に声を潜め呟いた。

「何か途中から、話さなくなったよね。あの二人…。」

「あ～！確かに！それって、うちは一族がみんな殺されてか…。」

子供はそう言いながらうちは一族の二人の方へ視線を送ると、話途中で言葉をきり固まる。

＿＿＿そして

「ちょ、ちょっとォ！ナルト！！何してンのよ！！」

サスケの前の机に乗り、睨み付ける金髪の少年に向かって、子供たち…女子が一斉に怒鳴り出した。