“うちは”は暗闇に沈む (ページ34)

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繋がりページ34

Ｎｏside

ゴッと、鈍い音が辺りに響きサスケの頬が赤く染まる。

「さすけこそ、知らないでしょ？確かに、父さんや、母さんは憎かった。でも、父さんも母さんも愛してくれてたんだよ！！」

そう言って、Aは自分を指差す。

「さすけから見たら、男の子に見えるんだろうけど女の子なんだ。女の子は髪が長いんだってね。この髪は短い、切ってくれたのは母さんだ。」

そう言って、Aは自分の髪を触る。
確かに髪は短く切られていたが、綺麗に長さは整えられている。

「あの時は分からなかったけど、おじーさんに教えてもらったんだ。前にAは誘拐されたことがあるんだよって。」

幼いながら目の見えない女の子。
その子の生まれはうちは一族、これほど誘拐をするのに適した子供はいないだろう。

「でね、この髪が短いのは、また誘拐されないようにって父さんと母さんの願いなんだって。」

そう言うと、Aはクシャリと髪の毛を握り笑う。その目には、涙が浮かんでいる。

「嬉しかった…！父さんと母さんが冷たくなったのはちょっと疲れちゃっただけで…嫌われてなんかなかったんだって。」

「……なわけないだろ！そーゆーとこがウザイんだよ！！ホントはそんなこと、思ってないくせに、偽善者が！！」

涙を浮かべるAに、サスケは声をあらげる。

「お前の親も心の中では、お前のことなんか笑って見下してんだよ！！俺なんかと一緒にすんじゃねーよ！！お前の一人と俺の一人は違う！！」

ハァ、ハァと息の荒いサスケに対してAは、真っ直ぐとサスケを見て表情をやわらげる。

「確かに、今は一人になっちゃったけど、さすけがいる。友達なんかよりも、もっと大切で…兄弟みたいな…。だから、さすけも一人じゃないよ。」

「…っ何が、兄弟だ！！ホントの繋がりを失うことがどんなことか、お前は知らないだろ！！」

「違う！！今、さすけと…」

「これ以上、俺の復讐の邪魔をするってんなら、容赦しねェ…！お前の言う、俺との繋がりがホントにあるってんならそれを断ち切るまでた！！」

サスケは、そう言うとAに背を向け走っていった。