九尾狐がブラック本丸に行きました (ページ7)

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6話ページ7

「虎くん〜？何処ですか〜？」
テトテトと白髪の少年、五虎退が虎を探しながら歩いていく
新しい審神者が来ているこの本丸
もしも審神者に仔虎がみつかって何かされたら大変だ
「虎くん！……と狐？」
日当たりの良い部屋には探していた仔虎と一緒に寝ている白い子狐
「鳴狐の狐…じゃないし……こんのすけ……でもない……」
ん〜と考えていると見覚えのある水色の髪の青年
「五虎退、今は危ないから余り外に出るなと言っただろ」
「ごめんなさい、一期兄さん」
少し困った顔で一期一振がいう
「虎が心配なのは分かるが新しい人間が来ているんだから」
しゅんとする五虎退
「まぁ虎を運ぶか……この狐は？」
虎を運ぼうとした一期が白い子狐を抱き上げる
すると狐は起きたのかモゾモゾと動いてスルりと一期一振の腕から降りた
少し歩いた後に座り込みポプんと煙を立ち上げ
「ん〜よく寝た………！あっ！」
「「!?」」
バッチリ人間に変化する所を見られた
ただ今はヤバい…
少しだけ内蔵の回復に霊力を使いすぎた
(小夜にお腹を刺された時に完全回復しきれてなかったよ！)
「ケフッ！」
反射的に口元を手で押さえるが突如として出てきた血は止まらない
「ゲホッ！ゲホッ！」
「いち兄！あの子助けてあげて！」
「えっ！あっうん！」
唐突な事なので少しテンパるふたり
人間なら速攻殺しているが多分妖物の狐には罪がない
とりあえず審神者部屋に少女を連れていくことにした
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「大丈夫かな…？」
苦しそうに息をする雪姫を見て五虎退は心配そうに顔を潜めた
「とりあえず、薬研に見てもらおう」
薬研を連れてこようとその場を離れようとした2人
しかし一期一振の裾を何者かが掴み歩みを止めた
「いか……ないで…1人は……やだよぅ…」
キュッと雪姫が裾を掴む
その目には深い悲しみが映っていた
「大丈夫ですよ、ほんの少しの間ですから」
「いや…だ…また…みんな……」
安心させようと一期一振は雪姫に話すが
雪姫は何かを恐れるようにカタカタと小刻みに震えていた
少し諦めた様に一期は彼女の元に行き五虎退に薬研を連れてくるようにお願いした
「これで良いですか？僕が傍に居ますから泣かないでください」
「あり…がと…う、」
一期の手を握りながら少し安心したような顔をする雪姫だった