２８話 ページ29
あと一寸、刃先がアタシにブッ刺さるまでの距離。
ハッとしてはなんとか思考を張り巡らす
今から後ろに退いても何にも出来ない…ッ結界…張れるか…？否、張るしかない…ッ！
指を鳴らそうとするも、大分焦っていて指を擦るだけになってしまうも…アタシの周りに霊力の結界が現れた。
なんとか間に合った…と、思うのも束の間…結界にヒビが入ってパリンッと音を立てて割れてしまう
そりゃそうか…本来なら指がきちんとなれば成立する結界だ。擦っただけで少しでも結界を出現させられたことも奇跡に等しい。
…こりゃ、まずったな…
「A！」
急に聞こえた聞き覚えのある声にハッとしては次の瞬間アタシの目の前でキンッ…と音が鳴って刃が止まった。厚く、強度のあるその結界は誰のものか
日本号だ
「ッたく……お前さんは警戒心がいつになっても足りねェな…にしても…どういうつもりだ？
後藤藤四郎」
刃を避けようとした勢いのままどさ、と後ろに倒れ込んではすぐに日本号に引っ張られてすっぽりと収まってしまう。
コイツの体はいつになってもデカイな…
そして、日本号の視線の先にいるのは自身の刃を光らせる後藤藤四郎の姿。間違いなくアタシが先ほど治療した後藤藤四郎の姿だった…どうして…
「そんな警戒しないでくれよ、俺だって本気で殺そうと思ったわけじゃあないぜ！俺の大将になる、ってんなら実力は確認して置きたかったからな。」
慣れた手つきで自身を鞘に収めた後藤は申し訳なさそうに笑いながらアタシの前に正座した。
「ご…後藤っ…！ほら、キチンと謝るんだ。主に無礼を働いてはいけないだろう！？も、申し訳ございませぬ…私の弟が無礼を…」
慌てたように後藤の隣に座っては頭を下げる一期からはどこか恐怖のような感情が読み取れた
流石にアタシを主を認めたとて、前審神者の残した傷跡はそんな簡単に消えるわけじゃあないもんねェ…
後藤の確認、はアタシがこれを踏まえてどういう行動に移るかどうかも含まれているんだろう
「一期、面をあげな」
静かにそう告げては恐る恐る顔をあげる一期の瞳を見つめる。
心配そうに揺れるその瞳を安心させるようにスル、と頭を撫でた
「アタシは何も怒っちゃいない。後藤のソレは正しいからね。…まぁ、少しヒヤッとしたが…日本号もいた。アタシも怪我はしてない。終わり良けりゃ全てよし！だから気にしなさんな」
一期は涙ぐみながら小さく笑っていた
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ガーベラ - はじめまして！課長様、姉貴肌ですね〜。こんなお姉ちゃん欲しかったな〜。続き楽しみにしています！これからも更新頑張ってください！ (2020年11月28日 20時) (
レス) id: cdc708129e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：病蛟 | 作成日時：2020年7月12日 17時
