【刀剣乱舞】政府から審神者に人事異動することになった (ページ30)

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２９話ページ30

ざざ、と風が木々を揺らして吹き抜けていく。玄関前でお決まりの赤いピンヒールを履いたアタシは上着を片手にある刀剣と睨み合っていた

白のタンクトップに鉢巻を巻いたアイツ。内番姿に戦闘装束を持った日本号

「アンタは留守番してな、日本号！」
「イヤだな、酒を一緒に買いに行く心算なんだよ…こればかりは聞けねェな…！」

「……もうはようしてほしいと。もう10分はこの問答続けてるばい…」

呆れたような視線と声の博多を前にアタシたちはぐ、と声を詰まらせた

事の始まりは20分ほど前に遡る事となる。
神降しを終わらせた後、鍛刀部屋で少々の雑談をしていたが…そろそろお昼時、と言うこともありアタシと博多で足りなさそうな食材とその他諸々を買いに行く事になった。

元々アタシの考えじゃあアタシ合わせて二人で行く予定だったから日本号には留守番をしてもらう予定だったんだが……

この本丸に来てからのことが色々重なっていつも以上に子供っぽくなってる気が…困ったモンだよ…

こうなる可能性が少なからず合ったから、内番を任命したのにも関わらず、アタシと博多でさぁ行こう。と玄関から出ようとしたら内番服姿のまま戦闘装束小脇に抱えて走ってくるんだからねェ……

どっかの部屋からアンタの足音怒る声聞こえたの多分ありゃ鶴丸の声だったぞ。

「……で、どうすると？早く出かけんとお昼過ぎちゃうばい。そろそろ早く決めんしゃい」

ちら、と腕時計に視線を向けては確かにそろそろ出かけないとお昼を食べる頃には少し時間がすぎちまうねェ……

「……はぁ、しょうがない。日本号、アンタはいつもアタシとの買い物の時は酒に釣られてフラフラどっか行っちまうんだから。今回はそれがないようにしとくれよ」

そう言えば険しい顔をしていた日本号の顔がみるみる笑顔になり、雰囲気も嬉しそうになっていった。

そ～なんだよねェ……コイツ、アタシと政府からの買い出しの帰りに万屋に寄ったら酒の匂いに釣られていつのまにかどっか行っちまうんだモンねェ……ありゃ困ったよ。

まぁ、流石に言ったし、今回は大丈夫だろうが

「そりゃ、」
「ん、イイよ。ほら、急いで着替えてきな、すぐに行くんだからね！」

小さく頷いてそういえば日本号は急いで戻って行った。
どこかで誰かがまた怒る声がするものの無視をして自分よりも全然小さい博多の脇に手を回して抱き上げた

博多は嬉しそうな笑い声をあげながら擦り寄ってきた

……短刀って、かわいいンだねェ