2432【短編集】

rsn　がくえんさい ページ2

「えっ！！うそ！もう脱いじゃったの…！？」


「もうというか今のチャイムで一日目終わりでしょ……今まで何してたの君…」


「いや……頼まれごととか……お手伝いとか…クラスの出し物当番とか……………

でも…でもまさか………うう…」


今日は学園祭の一日目にして唯一の、俗に言う親友の、とっっても大好きな緑の、緑の………………

仮装…だったのに…………


「そんなに僕見たかったの？」


「みたかったぁ……」


緑のクラスは喫茶店を開いたらしい

因みに私のクラスはど定番のお化け屋敷だった。
そもそもお化け屋敷なんかにするからびっくりしたお客さんが壊していったセットの補修なんてしなくちゃいけなくなるんだよ………

肝心の緑は喫茶店の店員ということで黒いシャツにベストを着てキレイなズボン…あとは装飾のついた上着とか、服の名前とか分かんないから心の目で見てほしいんだけれども…

そんな目眩がするほど素敵な衣装も今は黒シャツにズボンだけ、十分かっこいいけど


「ん〜じゃあ今日はこれで我慢して」


「何？」


といって振り返ろうとすると真横に緑の顔が

普通にびっくりしちゃった


「わわ、っ」


「はいもっと近く近く〜」


そう言って私の腕に自分の腕を絡めて更に近づく距離

ほっぺとほっぺがくっついてしまうんじゃないかってくらいの近さで

ドキドキする間もなくシャッター音がなる


「あとで送るね、これ」

「は、はい…」


「あ、あと


　Aどうせ明日暇でしょ？一緒にまわろ、」


「えっ…！いいの…！？」


「ふふ、仕方ないから明日はAだけの僕になってあげる」


微笑むその顔は、とても魅力的で
およそ学生が出していい雰囲気ではないだろう…

人間はとても驚くと一周回って冷静になるのかもしれない…
そんなことを考えてたらおでこをぴんっと弾かれる


「返事は？」


「…！ぜっ是非よろしくお願いします！！」

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