46話 ページ47
目的地の駅にやっと着いた私たちは、あまりの人の多さに飲み込まれそうになっていた
改札を出ると同時にもうすでに案内の人が看板を持って立っていて、それを辿って行くと案外簡単に列の最後を見つけることができた
「でもあれ、物販の最後の列じゃない?」
「ほんとだ」
彼は看板の文字を指差しながら呟いて、わたしもそれを確認するように眺める
どうやら整理番号で呼ばれるようで
すでにオンラインで予約をしている私たちはすぐに受け取ることができそうだった
「受け取りあっちだ!」
すぐに看板を見つけたわたしが指をさすと、彼もその方向を見て声を上げて
2人で小走りで受け取り場所へ向かった
受け取り場所へむかう道は急に太陽が照りつけるアスファルトで
普段室内でギターをかき鳴らしているだけの私たちはすぐに口から文句を垂れる
感謝の言葉を述べてグッズを受け取り、暑さに耐えられなかった私たちはすぐにショッピングモールへ足を運んだのだった
お互いTシャツを買っていたためトイレでバイバイしてお互い着替えて
グッズを持って写真大会
そんなことをしながら楽しんでいたら案外すぐに集合時間がやってきた
やっぱり友達としても距離感が合う彼氏だから、こういう時もすっごく楽しい
待ち時間は全然苦じゃないし、ずっと大人っぽい真ちゃんだけを追いかけていたわたしの目には全てが新鮮に映った
私たちのライブは昼の部で
16時ごろに終わってしまった
夏場の屋外ステージに人が密集してはしゃいで
本当にインドアのわたしには辛かったけれど
でも、推しを眺められたちょっと変わった初デートは大成功に終わったと言ってもいいんじゃないだろうか
「…なんか、すごいね」
ライブ後の人の流れに身を任せて駅にたどり着くと
改札口から人が入らないくらいごった返していて
わたしは思わず声を上げた
彼もそれを見て「なんじゃこりゃ、」とびっくりした顔をして
改札口にやっと辿り着いた私たちはICカードをかざして人に揉まれながら階段を降りた
背の高い男子と違い、女子にとって人混みはすごく辛い
男の人たちの背中や腕がピッタリと顔にくっついたり、腰のあたりにお尻が当たったり
とりあえずいいことがない
暑い臭い喉乾いたなんて可愛げのない単語で頭の中が埋め尽くされてる間に
彼は何かを見つけたようで、わたしの肩を叩いて指をさした
彼の指し示す先には浴衣の人たちがたくさんいて
それを見た彼は私を見つめて口を開いた
「お祭りっぽい」
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M - 安定の面白さ。黄瀬じゃないのに、、、今まで緑間普通だと思ってたのに、、、今日、りんさんが書いてくれる緑間に惚れましたw更新頑張ってください! (2020年12月6日 14時) (レス) id: 5e52fa6283 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:りん | 作成日時:2020年12月6日 10時