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34話 ページ35

Aside


ご飯を食べ、プチレクリエーションをやってビンゴ大会が終わった頃、私たち軽音部の小さなライブが始まろうとしていた

「高尾ー、準備できたか?」


そう言いながら控室がわりの小さな会議室で準備をする私に声をかけた菅原

私は元気よく返事をしてギターを肩にかけた



「…りっちゃんも、準備できた?」

ドラムの友達にも声をかけると彼女も頭の上で大きく丸を作った

よっし!とこえをあげて会議室のドアを開ける

「…いくよ!!」


私たちは大きく声を上げてミニステージへ上がった







『ワァァァァア!!!』




軽音部のライブの時のような臨場感が私たちを包んで、私ははじめの一音をかき鳴らした


自然と上がる口角に逆らわず、今までやったことのない2人ボーカルで


『長い長い時の中で』

私が歌い、次のフレーズを渡すように菅原を見る

『たった一瞬の今を』


菅原も自然と私の目を見て微笑んで


『『抱きしめた、青い春』』


2人で、声を揃えて歌い上げた


ライブは無事大盛り上がりで終了。

先生たちからも感謝の言葉をもらい、幸せな拍手の中次の出し物の子たちへバトンタッチした


沖縄の暑さと、普段は感じることのない特別感に身を任せて
二度と戻らないこの高校生活を目に焼き付けた

いつだって、私の思い描く高校生活に彼はいない

憧れの彼はいつも違う場所にいて

遠くから私を見守っているんだ


ライブの最中に視界の端に見えた真ちゃんが、笑っていたような気がする


大成功なライブが終わり、楽器を片付けに控室に向かおうと背中を向けて

この夏の思い出と淡い恋に終止符を打つ

「…っまって!!!!」


そう思った私の心の声を、とある声がかき消した



息を切らして私を追いかけてきたのは、



「…話したいことが、あるんだ」



菅原だった

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M - 安定の面白さ。黄瀬じゃないのに、、、今まで緑間普通だと思ってたのに、、、今日、りんさんが書いてくれる緑間に惚れましたw更新頑張ってください! (2020年12月6日 14時) (レス) id: 5e52fa6283 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:りん | 作成日時:2020年12月6日 10時

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