緑間真太郎は恋にも鈍感

19話 ページ20

「こ、高校生で付き合ったって…ただの遊びになっちゃうし」と私が少し子供っぽい態度で頬を膨らませると、和くんは気に食わない顔をして

「んーー？俺の奥さん高校からの彼女だけど」と言いながら私の顔をのぞいた


そんな素敵な言葉にわたしは顔を赤らめて
「それは、お互いがいい恋愛しただけでしょ！」と可愛げもなく言い返して


和くんは、フーンと唇を尖らせた



わたしがため息をつくと同時に
和くんは更に「バレンタインとかどうなの〜？？」とニヤニヤ顔を覗き込んできて


「…っ」


和くんはわたしがわかりやすく顔を赤らめたのを見て
「俺今年もらえなかったってことは、本命できたってことー？」と呟きながら首の後ろで手を組んだ

そんな和くんに「時間なかったから作れなかっただけだもん」と頬を染めた


その言葉を待っていたかのように和くんは


「真ちゃんにはあげたのにね？」


とニヤリと笑って


私は思わず「うぇっ！？！？！」と可愛げのない声を上げた




冷たい風が鼻をくすぐって更に顔が冷えていくのに
体の芯はすごくあつくて、今すぐ消えてしまいたいくらい恥ずかしい


「一途すぎでしょ」



和くんはいつだってこうやって私のことを見抜いてしまう


ずるいよ、ほんとに



黙り込んだ私を見て和くんは満足そうに笑って


「まー、たしかにあんな大人びた人に焦がれてたら他なんてお子ちゃまに見えちゃうよな」と私を見て


それと同時に奥から真ちゃんが歩いてくるのが見えた



わたしは「ごめんね和くん、私先帰る！！」と突然声を荒げて別れを告げて


「えっ、あっ、おい！」と言う声も御構い無しに駐輪場へ走った



真ちゃんとは、もうあんまりプライベートで関わりたくないんだもん


あんなかっこいい姿見た後に会ったら

また好きになっちゃうからだめだよ

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