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32話 ページ33

「次は、最後だな」

同じ班の男子が呟くと共に車の中で歓声が上がった

沖縄の割と大きな範囲をスタンプラリーで回らされてミッションをクリアして、最後の水族館に提出をしにいってお昼ご飯だ

ぴーっ、ぴーっ、と車がバックする音と響いたと同時に、運転手さんが「つきましたよ〜」とギアを入れた


わいわいガヤガヤ騒ぎながら車を順番に降りると感じた海の匂いにまたみんなさらに騒がしくなって

頭の中でふと一つのことがよぎった


今まで順当に回ってきたスタンプラリーは6箇所

その場所それぞれで先生が立っていたわけなんだけど
その中に真ちゃ…緑間先生はいなかった…てことは…。

余計なことを考えている間に班のみんなに流されて入り口に到着した私は、ふと視界に入った姿に息を呑む


「おお。お前ら随分早かったな」


学校名の書かれたプリントが貼られているカウンターに座っていたのは、みんなの人気者緑間先生だった


「やっほー先生!昨日はテレビありがと」

菅原がスタンプラリーの台紙をカウンターに差し出し、スタンプの確認をする先生

先生は一つずつ綺麗な人差し指で確認をして、「うむ、よくやった」と色っぽい声でつぶやいた


その言葉に、やった!!!とみんなでハイタッチをしながらジャンプをして、菅原がはしゃぎすぎてもらうのを受け取るのを忘れていた順位の紙を先生から受け取った


「…ありがとう!真ちゃ…」


ふと気を抜いた瞬間にいつもの呼び方が出てしまい、私は思わず口を結んで「緑間先生」と言い直した

ずっとはしゃいで気づかなければいいのに、菅原達もこう言う時だけ無駄に鋭くて

私の声に反応してみんながぴたりと止まる

沈黙を破ったのは緑間先生だった

「…だいぶ慣れたと思ってたのだがな」

いつもの温かい声でそうつぶやいて私の頭を撫でた真ちゃんは、紛れもなく真ちゃんの顔をしている

あの、えと、と私が声を出そうと口を開けたところで
「2人って、親戚って噂マジ?」と班の中の男子が声を上げた

その言葉にわたしと緑間先生は驚いて、訂正をしようと口を割ったわたしにかぶるように先生が「親戚ではない。俺のチームメイトが、こいつのいとこだっただけだ」と口を割り

「こいつが小学生の時から知ってるのだけなのだよ。」と続けた先生の言葉に、班のみんなが「ふぅーん」と納得の声を上げた


「…。」




…私は、その時菅原がいい顔をしていなかったことに気がつかなかった

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M - 安定の面白さ。黄瀬じゃないのに、、、今まで緑間普通だと思ってたのに、、、今日、りんさんが書いてくれる緑間に惚れましたw更新頑張ってください! (2020年12月6日 14時) (レス) id: 5e52fa6283 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:りん | 作成日時:2020年12月6日 10時

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