133話 ページ34
「ち、ちゃんと??」
思わず聞き返してしまった私は少し焦りながらゆっくり彼女と視線を重ねる
「真ちゃん、泊まっても何もしてこないんでしょ〜?」
そう口を尖らせながらペットボトルの蓋を回す彼女の言葉がやけに生々しく感じて
私はまたそっと下を向いた
「引き止めてくれるの待ってても、向こうがそんな内気だったらどうしようもないよ〜」
その通りなのはわかっている
どんなに私が好きだと伝えても、きっと真ちゃんは俺はおじさんすぎるとか言うんだろうなって思う
「…で、でも、好きじゃない人と付き合って失敗したことあるし」
私の言葉を待っていたかのように指を突き立ててこっちを向いた彼女は
「好きじゃないのに付き合うからだよ」と声を漏らした
「もう子供じゃないんだしさ、相手だって下心ありで近づいてきて、好きになれそうだったら好きになってみるくらいでいいんじゃないの」
そう続けると同時に彼女はペットボトルに口をつけ
水を流し込み始める
そんな彼女の横顔を眺めながら
私はそれでも好きになれないんだ、と分かりきっていることをもう一度心の中で復唱した
唇をそっと離した彼女は、何事もなかったかのように「とりあえず処女捨てれば??」とつぶやいて
私はそんな言葉に思わず大声を漏らす
「な、何言ってんの!?!」
慌てた私をみて、なにも態度を変えない様子の彼女は
「やったら好きになるよ、まじで」とまた昼間からとんでもない爆弾を落とした
「んえぇ…??」
特にそういう欲がないわけではないし
真ちゃん…、は、どんな風に女の子を抱くんだろうとか
そんなことを考えたこともある
美しい腕の筋肉から想像できる美しい体に包まれて
あんな吸い込まれそうな綺麗な瞳で見つめられたら
たしかにすごいドキドキすると思う
「この間の合コンしたメンバーで、他の男もうちらのグループの子狙ってるらしくて
だからまたしようよって彼氏と話してたんだよね」
キャップを閉めてぺろりと唇を舐めた彼女は心なしか少し魅惑的だ
「…うーーん、、」
悩んだ様子の私に、彼女は「まー、そんなAが考えてるほどみんな重く考えてないから!」と私の背中をぽんぽんと叩いた
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りん(プロフ) - Mさん» んもーーそろそろクライマックスですよ〜ぅ!!心の準備はいいですかぁぁぁぁぁぁぁっっ笑 (2021年5月28日 9時) (レス) id: 6b9a318112 (このIDを非表示/違反報告)
M - というか!!!今日のなんですか。あれは、あきまへんよ。あんなとこで止められたらワクワクしすぎて吹っ飛びます。余裕で宇宙ぐらいまで飛んでいってしまいます、、、www更新待ってます(о´∀`о) (2021年5月27日 20時) (レス) id: fb481de1a8 (このIDを非表示/違反報告)
M - 消さないでくださいね?!絶対消したらダメですよ。自分めっちゃ楽しんでるんで、、、消されたら辛いです(´;ω;`) (2021年5月27日 20時) (レス) id: fb481de1a8 (このIDを非表示/違反報告)
りん(プロフ) - Mさん» いや〜、自分でも黒歴史積み上げてるだけだなぁって思いながらやめられなくなりました。恥ずかしさで死にたくなったらいつか消します笑笑笑笑 (2021年5月23日 10時) (レス) id: 6b9a318112 (このIDを非表示/違反報告)
M - コロナ、最近すごいですよね。。。全国的に。いっつもニヤニヤしながら読ませて頂いてます。なんだろう。やっぱ、りんさんの選ぶ言葉とか書き方にすごく惹かれます。更新待ってます(о´∀`о) (2021年5月22日 1時) (レス) id: fb481de1a8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:りん | 作成日時:2021年4月13日 10時