103話 ページ4
「ご、ごめんなさい」
いつも迷惑をかけてばかりだ
この時間に真ちゃんが家にいるということは、せっかくのお休みだったのではないだろうか
私が目線を逸らして小さく謝ると、真ちゃんは優しく笑って「道端で寝られるよりマシだ」とつぶやいた
真ちゃんは先生だった時よりもよく笑うようになって
そして何よりすごく優しくなった
前までは先生だったはずなのに
今ではただの大人の男性
「これからは気をつけるし、…友達にも真ちゃんに連絡しないでねってちゃんと伝えるよ」
私のせいでしんちゃんの大事なおやすみを潰した罪悪感と、こんな醜態を晒してしまった恥ずかしさが一気に襲いかかってきて
何度も何度も謝るわたしに真ちゃんは呆れたため息をつく
そして料理をお皿に盛りつけながらわたしの方を向いて、小さくつぶやいた
「飯、食べていくのだよ」
いらない、と言いたいところだけどわたしもかなりお腹が空いていて
目の前にある美味しそうな料理にごくりと喉を鳴らす
「…えっと、」
わざわざ作ってもらったと思うと断れないし、でも早く帰ったほうがいいし、と考えていると
真ちゃんは「いいから食べろ」と呟きながら料理をリビングに運んでいった
お言葉に甘えて2人で向かい合わせに座り
真ちゃんの作ったパスタを口に運ぶ
それはいつもの美味しい真ちゃんの料理で
私は思わず「…おいし、」と口にする
わたしの目の前で黙々と料理を口に運んでいた真ちゃんは、いつもより少し緩い格好にあまりセットしていない髪型で
その姿に、私は途端に息が苦しくなった
「お前が潰れて、誰も迎えに来なかったらどうなる」
いきなりの彼の質問に目を丸くした私は
パスタを巻く手をもう一度動かしながら「…と、友達がタクシーとかで送ってくれる、」と伝える
すると真ちゃんは何一つ顔色を変えないまま、「そうか」とつぶやいて
「男がいたらどうするんだ、」と続けた
しんちゃんの言っていることは間違っていない
ズキンと胸が痛くなって、思わず俯いたわたしに
真ちゃんはさらに予想外の言葉をかける
「別に俺に連絡をくれるのはかまないが…、彼氏、と周りに勘違いされたらAだって困るだろう」
「自分の酒の容量、ちゃんと把握しとくのだよ。そんなんじゃ簡単に食われるぞ」
その時だけ、ずっと合わなかったはずの視線が重なって
胸がとくんと熱くなる
真ちゃんは彼氏じゃないけど
彼氏って言われても嫌じゃないわたしがいる…なんて、図々しいのかな
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りん(プロフ) - Mさん» んもーーそろそろクライマックスですよ〜ぅ!!心の準備はいいですかぁぁぁぁぁぁぁっっ笑 (2021年5月28日 9時) (レス) id: 6b9a318112 (このIDを非表示/違反報告)
M - というか!!!今日のなんですか。あれは、あきまへんよ。あんなとこで止められたらワクワクしすぎて吹っ飛びます。余裕で宇宙ぐらいまで飛んでいってしまいます、、、www更新待ってます(о´∀`о) (2021年5月27日 20時) (レス) id: fb481de1a8 (このIDを非表示/違反報告)
M - 消さないでくださいね?!絶対消したらダメですよ。自分めっちゃ楽しんでるんで、、、消されたら辛いです(´;ω;`) (2021年5月27日 20時) (レス) id: fb481de1a8 (このIDを非表示/違反報告)
りん(プロフ) - Mさん» いや〜、自分でも黒歴史積み上げてるだけだなぁって思いながらやめられなくなりました。恥ずかしさで死にたくなったらいつか消します笑笑笑笑 (2021年5月23日 10時) (レス) id: 6b9a318112 (このIDを非表示/違反報告)
M - コロナ、最近すごいですよね。。。全国的に。いっつもニヤニヤしながら読ませて頂いてます。なんだろう。やっぱ、りんさんの選ぶ言葉とか書き方にすごく惹かれます。更新待ってます(о´∀`о) (2021年5月22日 1時) (レス) id: fb481de1a8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:りん | 作成日時:2021年4月13日 10時