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91話 ページ42

Aside


胸に小さなお花をつけた私が体育館に足を踏み入れると、そこには普段見られないような静かな空気が漂っていた


「バスケ部??…あー、試合してたけど…終わったから帰ったんじゃない?」

私も往生際が悪い

会えなくてもいい、一眼見てそれで諦めよう

そう思い、迷いながらも足を止めずに体育館まで歩いてきた

軽音部は特に深い思い入れもなく、三年生のためのパーティなどが開かれることもなく

しかし、教室で仲のいい子たちと散々写真大会をしていた私は少し遅い時間まで残っていたのだった


「…あー、そう、ですか、ありがとうございます」

清掃で訪れていた用務員さんに力無くお辞儀をすると、私はさっきまで動かしていた足をぴたりと止める

今日、このまま帰ったら二度とくることのないこの学校

何度も見たしんちゃんのバスケ姿とこの広い体育館が重なった気がして
私は静かに鼻をすすった

私は高校3年間、真ちゃんを忘れることはできなかった

その事実に胸を締め付けられて、さっきまで一滴も流れなかったはずの涙の波が押し寄せる

「…っ、」


この学校に入って、真ちゃんの色々な面を見た

今思い返せば、好きだったならそんなに自分から近寄らなければよかったのに

こんなにも彼に夢中になって


忘れることもできないまま

さよならも言えずにバイバイをしなければならない

暖かくなったはずの三月の夜風は
体育館に一人で佇むわたしには少し肌寒かった



「…かえろ、」



誰がいるわけでもないのに一人でそんなことを呟いて

溢れそうな涙を必死に堪えて体育館を後にした

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りん(プロフ) - ぱなおさん» メッセージいただいたら書くしかねぇ!ってなりました!この小説はサクッと終わる予定なのでサクッと書きますね笑最後までお楽しみいただけたら嬉しいです! (2021年4月5日 9時) (レス) id: 6b9a318112 (このIDを非表示/違反報告)
ぱなお(プロフ) - りんさん» わー!!返信嬉しいです、更新もありがとうございます( ; ; )いつまでも待ち続けますので無理せずに更新してくださいね!!( ; ; ) (2021年4月5日 0時) (レス) id: a37a5acae8 (このIDを非表示/違反報告)
りん(プロフ) - ぱなおさん» ぱなおさんありがとうございます( ; ; )最近リアルが鬼忙しくて投稿が滞っておりますが、終わる気はさらさらありませんので頑張って書きます!!これからもよろしくお願いします( ; ; ) (2021年4月4日 10時) (レス) id: 6b9a318112 (このIDを非表示/違反報告)
ぱなお(プロフ) - 最高すぎて一気読みしました!!続き待ってます( ; ; ) (2021年4月4日 1時) (レス) id: a37a5acae8 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:りん | 作成日時:2021年3月4日 11時

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