88話 ページ39
寒い体育館での式はあっという間に終わり、私たちは卒業証書と共に朝と同じ教室へと戻ってきた
先生の感動的な話に涙する生徒、カメラを構える生徒
みんなの瞳が比較的潤んでいる中、私は涙ぐむことはなかった
さみしい、かなしい、そんな気持ちももちろんあるけれど
でもそんなふうに認めてしまったら真ちゃんとの関係に自ら終止符を打つことになるような気がして
真ちゃんにしっかり、ありがとうと伝えるまでは泣いてはいけない
そう心に強く決めていた
在校生からもらったお花を大きな紙袋にしまい
少し思いにふけていたらクラスの女子に声をかけられて写真大会に参加した
「みんなありがとーー!!」
「はたちこえたら飲もうね、すき、!!」
頭がいい学校のはずなのに、少し頭の悪い会話で溢れている教室は
とても心地が良くて、今日で終わりなんて空気は一ミリも感じない
でもいつもと同じ教室に流れた春風が、別れの時間を知らせているようだった
ふと騒がしい廊下に目をやると、何やら真ちゃんにサインをもらう人だかりができていて
みんなよりも頭二つ程大きな真ちゃんが女子に囲まれているのが目に入る
私だってたくさん話したいことがあるのに、と思う反面あの輪をかきわける勇気はない
女子に囲まれて少し微笑む真ちゃんは、窓に映る桜も相まってめちゃくちゃ魅力的だ
この間、唇がふれそうな距離にいたのに
もうこんなに遠くになってしまって
まるでこれからの未来を表しているような状況を
私は真ちゃんとの恋を終わらせる口実にしようとした
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りん(プロフ) - ぱなおさん» メッセージいただいたら書くしかねぇ!ってなりました!この小説はサクッと終わる予定なのでサクッと書きますね笑最後までお楽しみいただけたら嬉しいです! (2021年4月5日 9時) (レス) id: 6b9a318112 (このIDを非表示/違反報告)
ぱなお(プロフ) - りんさん» わー!!返信嬉しいです、更新もありがとうございます( ; ; )いつまでも待ち続けますので無理せずに更新してくださいね!!( ; ; ) (2021年4月5日 0時) (レス) id: a37a5acae8 (このIDを非表示/違反報告)
りん(プロフ) - ぱなおさん» ぱなおさんありがとうございます( ; ; )最近リアルが鬼忙しくて投稿が滞っておりますが、終わる気はさらさらありませんので頑張って書きます!!これからもよろしくお願いします( ; ; ) (2021年4月4日 10時) (レス) id: 6b9a318112 (このIDを非表示/違反報告)
ぱなお(プロフ) - 最高すぎて一気読みしました!!続き待ってます( ; ; ) (2021年4月4日 1時) (レス) id: a37a5acae8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:りん | 作成日時:2021年3月4日 11時