68話 ページ19
Aside
嵐のように過ぎ去っていった私の秋は、青春のかけらなんてひとつもなくて
ただ心に大きな傷だけを残していった
「高尾、大丈夫か?」
あのあと私は1週間ほどお休みをして傷を治し、すぐに学校に復帰した
あまり長く休むときっと友達からも沢山質問攻めされるだろうし、早く学校に行ったほうが元気になれると思ったからだ
復帰してからかなり経った頃、久しぶりに職員室の前で緑間先生と出会してしまい
先生は全然心配そうじゃない表情でぶっきらぼうに私に声をかけた
「うん、大丈夫になったよ〜…って、あまりにも心配してなさそうな顔過ぎない??」
少し眉間にシワを寄せながら私が詰め寄ると、先生は「なっ…!」とショックを受けたような顔をする
「お腹の傷はもう痛くないし、元気だよ」
わたしのことばを聞いた緑間先生は、また私にしか見せないような優しそうな顔で微笑んで「それならよかった」と口にした
ぶっきらぼうながらも言葉は温かいし、表情からは読み取れなくても本当に心配してくれていたのが伝わってくる
和くんが真ちゃんから聞いたってすごい心配して私のために色々と尽くしてくれた
酔ってボロを出させようと思ったら自分が酔って何も話を聞き出せなかったことも…
それはそれで和くんらしいけどね
教室では退学になった菅原の机がポツンと端に寄せられていて、なんだかまるであのひとときは夢だったのではないだろうかと感じてしまう
菅原と付き合っていたことを知っている人も少なく、ただ菅原たちは殴り合いをして退学になったという噂だけが広まっていた
私はたまたま居合わせて心の傷を負ったから少し休んでいたということになっていて、誰も私に菅原のことを聞いてこようとするやつはいなかった
あの日の悪夢は思い出したくもないけれど、少しだけ私を守ってくれた緑間先生にキュンとした記憶だけが残ってる
『大切にできないならお前に彼氏を名乗る資格はない』
真ちゃん…あの言葉のせいで、私はまた貴方に恋心を抱いてしまいそうです
59人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
りん(プロフ) - ぱなおさん» メッセージいただいたら書くしかねぇ!ってなりました!この小説はサクッと終わる予定なのでサクッと書きますね笑最後までお楽しみいただけたら嬉しいです! (2021年4月5日 9時) (レス) id: 6b9a318112 (このIDを非表示/違反報告)
ぱなお(プロフ) - りんさん» わー!!返信嬉しいです、更新もありがとうございます( ; ; )いつまでも待ち続けますので無理せずに更新してくださいね!!( ; ; ) (2021年4月5日 0時) (レス) id: a37a5acae8 (このIDを非表示/違反報告)
りん(プロフ) - ぱなおさん» ぱなおさんありがとうございます( ; ; )最近リアルが鬼忙しくて投稿が滞っておりますが、終わる気はさらさらありませんので頑張って書きます!!これからもよろしくお願いします( ; ; ) (2021年4月4日 10時) (レス) id: 6b9a318112 (このIDを非表示/違反報告)
ぱなお(プロフ) - 最高すぎて一気読みしました!!続き待ってます( ; ; ) (2021年4月4日 1時) (レス) id: a37a5acae8 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:りん | 作成日時:2021年3月4日 11時