緑間真太郎は恋にも鈍感2

61話 ページ12

緑間side


修学旅行で先生達を散々騒がせたあの騒動は、先輩達が自慢げに話していたという後輩からの内通で簡単に先生の耳に届いた

どうやらメンバー5人で部屋で集まって飲んでいたらしい

俺が何故か苦手な菅原もいるあの軽音部のグループだ

そもそも菅原が苦手だという理由はいくつかあるが
そのなかでも、一軍系の男子と仲がいいというものが一番で

仮に沖縄でコンビニで買っていても、アイツらなら年齢確認されないかもしれないと思わせるほどのあそんだ見た目の奴らとつるんでいることがまず気に食わなかった

そんな菅原がAと付き合っているという話は当にきいている

しかし今の関係や内容までは知らない

9歳も下の女子高生の恋愛事情に首を突っ込むなんてダサいことはこっちから願い下げなのだよ

それでも気にしている俺が一番ダサい、そんなことには気がつかないフリをした

軽音部はステージのプログラム全ての出場権がなくなったらしく

職員室ではその話で持ちきりだった

まあ、退学よりはマシかもしれないが
華の高校生から文化祭を奪うなんてなによりも酷なのではなかろうか

先生方はすこし頭が古いが故にこうやって古典的な連帯責任なんてことでまとめたらしいが
生徒達はきっと納得していないだろうな


頭のなかでそんなことを考えながら、ハァ、とため息をつくと
少し年上の先生から「お疲れですか？」と少し笑いながら声をかけられて
俺は自分が職員室に座っているということを思い出した


「…あぁ、ちょっと、部活が忙しいのでね」

俺がそう返事をすると、先生はプリントをまとめながら「ちゃんと休まないと、年取った時に色々きますからね」と笑って
コピー室へと消えて行った

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