【あんスタ】吸血鬼とシスター【朔間凛月】 (ページ12)

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episode11 ページ12

(な、何っ！？)

腰に回る腕の力が強く身動きが取れない上、手で口を覆われ声が出せなくなり、恐怖で足が竦む

(誰か・・・)

恐怖で泣き出しそうになった瞬間

「クスッ、フフフフッ」

(えっ)

耳元で囁かれた声に思わず身体中の力が抜けた
それと同時に、口を押さえていた手が離れる

『ま、まさか・・・凛月？』

凛月「そうだよ、せいかーい♪」

(やっぱりか・・・)

囁かれた声の正体は、聴き馴染んだ凛月の声だった

『もう！びっくりさせないでよ！コラー！』

悪戯をやめさせようとジタバタ暴れるが、腕や腰に巻き付いた彼の腕は離れなかった

凛月「御免御免、だってAの反応が面白かったからつい」

『あのねぇ』

まあ、不審者じゃ無かっただけ良しとするか

『あれ、今日は零と一緒じゃ無いの？』

腕から解放され彼の方へ振り返るが、そこには零の姿が見当たらなかった

凛月「お兄ちゃんは森に隠れてるよ」

『か、隠れてる？』

凛月「そう」

隠れてるのか・・・隠れてるって事はつまり

『今日はかくれんぼで遊ぶって事？』

凛月「そういう事だね」

『マジか・・・』

この森でかくれんぼやるって結構しんどいなぁ
隠れる範囲は森全体だから何処にいるかわからないし見つけにくい
零の場合は特に、高い木の上や草叢の下といった、見つけにくい所にいるから大変なんだよなぁ
凛月は頑張れば何とか見つけられる様にはなったんだけど

まぁでも、昨日一昨日の鬼ごっこよりかはマシっちゃあマシかぁ
昨日は帰る時間ギリギリまで零が笑いながら追っかけて来て、正直アレは狂気を感じた・・・

凛月「大丈夫だよ。今回は俺も一緒に探すから、きっとすぐに見つかるよ」

『そうだね』

少なくとも、今回は凛月と一緒だから良いか

『それじゃあ行くよ』

凛月「うん♪」

お互いの手をギュッと握り締めながら、森の中を歩き始めた