続＝ LOVE！【TH】 (ページ13)

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YOU side ページ13

いつも周りのことばかり気にして何が自分の幸せかなんて考えたことなかった。

私の幸せって…何？
この仕事を続けること？
それはもちろんそう。だってこの仕事が大好きだから
でも…

正面玄関から出て行く新郎新婦はお互いを愛おしそうな表情で見つめ、肩を寄せ合っている

あぁ、私、こっちに来てからあんな表情で誰かを見つめたことなんてなかったな

ｲ「A」
「は、はい！すみません！すぐに片付けに戻ります！」
ｲ「いや、いーよ。やっとくから」
「えっ！何でですか！そりゃちょっとグッタリしてますけど！私が担当なんだから最後まで！」
ｲ「ハハ！本当にお前は真面目だなぁ！…今から行けば間に合うだろ？ライブに」
「ライ、ブ」

腕時計は午後の16時を過ぎていた
予定ではライブは18時まで
会場までここからタクシーで30分
この時間じゃ道が混んでるからきっと間に合わない

ｲ「悩んでる暇があるなら行け！お前、後悔するぞ！」
「後悔…。すみません先輩！甘えます！」

先輩に一礼すると更衣室に向かう

「(えぇっと…貰ったパス持って、あと財布と携帯と)…キャッ！！」

廊下に脱げたヒールと床に着いている膝にいつの間にか走っていて転んだということに気がつく

「ほんと、テヒョンのことになると余裕ないんだから、私」

ヒールを手に握ると自分のロッカーを開ける

「パス持った！財布持った！携帯持った！服！は着替える時間が惜しいからこのまま！よかった、今日スニーカーだった！」

ホテルの制服にスニーカーだなんて、きっと支配人に見つかったら小言言われるけどそんなのどうだっていい

従業員出入り口から出ると近くの道路に出てタクシーを拾う

〈すみません！○○ドームまで！〉

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運〈やーお客さん、詰まっちゃってますねぇ〉
〈ここからどれ位ですか？〉
運〈う〜ん。普段なら車で5分位なんだけどねぇ。この混みようじゃあ、30分位掛かるかな〉

時計は17時過ぎ
タクシーのフロントガラスにはさっきから全く動かない車の列

〈わかりました。ここで降ります！〉

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「ハァ、ハァ」

いつぶりだろう、こんなに息が切れるほど走ったのは
周りの通行人は不思議そうな顔で私の姿を見ている
いつもなら周りの目を気にしてこんなことしない
でもそんなことだってもう、どうでもいいの

「ハァ、ハァ、着いた…ハァ」

ポケットからスタッフパスを出すと首に掛ける
少し息を整えると関係者入り口から中に入って行った

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