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?「Aさん!!いた!!!」
「へっ?!ウォン様!」
目の前には私の担当しているウォン様
確か彼女はメイクの担当
メイク「もう!よかったよ!間に合って!早く!こっちこっち!!」
「は、はい!あの、なんで私が来るって!」
ウォン様は私を案内しながら経緯を教えてくれた
メイク「私、あいつらがデビューした頃から担当してるんだけどね、その頃にVから聞いたことあったのよあなたの話!って言っても名前を聞いてた訳じゃないけど!あいつらデビューしてからもだいぶん苦労したの。特にVは最初非公開メンバーだったしね。色々、辛い思いもしてた。」
「そんな…」
メイク「でもね、その度にあいつ言うのよ。自分は自分よりも大切な子を置いてここに来たって。だから成功するまで諦めないんだって。それから少しずつ知名度も上がって忙しくなってからはその話しなかったから忘れてたけど…この間、プールでのあなたとVを見て思い出したわ。あぁ、あなたのことだったのねって」
「テヒョンがそんなこと…」
知らなかった
テヒョンがそんなに苦労してたことも
そんなに私のこと想ってくれてたことも
私、自分ばっかり辛いんだって勘違いして逃げてただけ
最初は曇ったような歌声や声援が奥に進むにつれて鮮明な音に変わっていく
メイク「さぁ、着いたよ!ここからならよく見えるから!…っと!流石にそのままじゃ目立ち過ぎるわね。笑 あなたとVのこと、知らないスタッフもいるから。……ちょっとごめんねー!!」
「わっぷ!!えっ!えぇ?!あ、あの!ちょ!!」
メイク「いいから、いいから!Aさん綺麗だし、一回いじってみたかったのよねぇ♪……あら、我ながらいい感じ♪」
ウォン様は私の頭から大きめのパーカーを被せると手慣れた手つきで私の髪を解く
そして、ポケットから出したリップを私の唇に乗せる
「それ!」
メイク「うん、Vから預かってたの。もしあなたが来たらこれを付けてほしいって。はい、あなたに返すね?それから伝言!
"今だけ、あの頃に戻った気持ちで俺を見てほしい"
だって」
「…ッ…はい…」
メイク「ふふ、あ!ごめん!そろそろあいつらはけてくるから行かなきゃ!じゃねー!」
「えぇ?!わ、私ここにいていいんです…か…って言っちゃった」
ウォン様は舞台の袖にある簡易のメイクルームに戻ると私に向けてウィンクをひとつして指で何かを教えてくれた。
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Kira - すごくいいお話でした! (2022年8月13日 21時) (レス) @page26 id: d8561d62a3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:湖都音 | 作成日時:2022年1月6日 15時