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TH side ページ21

全員〈ありがとうございましたー!〉
JH〈またねー!とうきょー!〉
JM〈ばいばーい!〉

最後の曲を歌い終えて深くお辞儀をすると静かに下がっていくセリ
俺たちは目一杯、手を伸ばして指先が隠れるまで手を振り続けた

JK「はぁぁぁ!!楽しかったぁ!」
JM「んー!!あとはアンコールだね!まだまだ何日もできそうだよ!」
JN「ヤァ!ヒョンはお腹ぺこぺこだよ!帰ったらステーキ食べなきゃ!」

高揚したテンションのまま口々に感想を言いながらセリを降りて歩いていくメンバー
最後までセリに立っていた俺はさっきのMCの余韻を感じている

やっと言えた…ずっとAに伝えられなかった気持ち
本当は本人に直接言いたかったけど…

俯きながらステージ下をメンバーの後ろに付いて歩く
明後日、俺たちは帰国する
そしたらAとも会えなくなる

きっとあいつは俺を振るだろう
あの日のプールサイドで目を背けないと伝えた時
Aは振り返らなくて代わりにその小さな手がきつく握られてた

でも、それでもあいつを諦めるなんてできなくて
今の俺で無理ならもっともっと努力して自信付けて
あいつを迎えに行くんだ

TH「あいつ…上手くいったかな…」


















「テヒョンイ!」
TH「…?」

ジミナに呼ばれてふっと目線を上げる

他のメンバー達も俺の方に振り返って、悪戯が成功した時みたいな笑顔で笑うとヒラヒラと手を振りながらまた歩き出した。

TH「…えっ…あっ…ッ!!」

メンバー達の歩く先にはさっきジニヒョンと喋っていたパーカーのフードを深く被った女性

俺より頭2個分くらい低い背
凛とした綺麗な立ち姿
想像してた以上に似合ってて目を奪われたリップの色
夏の屋上を思い出すような爽やかな柑橘の香り

TH「…A…?」

名前を呼ばれた彼女はピクリと肩を揺らすとゆっくりとフードを取る
その目には大粒の涙が流れて頬を伝っていた

「…ッ…フッ…ゥ…」
TH「えっ…えぇ?!ど、どうしたのお前!…もしかして結婚式うまくいかなかった?!」
「違ッ!!…フッ…ウッ…」
TH「えぇっと…あ!間に合わなかったの気にしてる?大丈夫だよ!まだアンコールあるし!」
「ううん…それも、違う…聞いてた、ちゃんと…テヒョンの話も…」

泣くなよ、お前が泣いたらさ
俺、どうしたらいいかわかんなくなるんだよ





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Kira - すごくいいお話でした! (2022年8月13日 21時) (レス) @page26 id: d8561d62a3 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:湖都音 | 作成日時:2022年1月6日 15時

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