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メニューをぱたんと畳んで
しばし沈黙。
盛山さんは少し悩んでから口を開いた。
「…僕、あのー、あんま芸人とか、思わんで下さい。」
やっぱり、盛山さんは気にしているようだった。
「芸人になってからできた友達も沢山おるんで、変に意識されると嫌っていうか寂しいっていうか
普通の仕事っすよ。ていうか僕自体まだ芸能人みたいな気分やないですし。」
言いたいことはわかる。
やっぱり、お昼のあの反応は、私が悪かった。
寂しそうに眉毛を下げるからそう思う。
「盛山さんのこと教えてもらって、調べたんです」
「ええ、ほんまっすか?」
素直にその事を言うと
盛山さんは目をまん丸にして私を見る。
「正直、びっくりしちゃって」
「あんまテレビ観ないんすね。」
「そうですね…それもあるんですけど、盛山さんのいろんな画像みちゃって、どんな顔していいか分かんなかったと言いますか…」
「どんな画像?!!」
思った事を正直に伝えると、
盛山さんは照れてるような驚いたような
そんな顔で笑った。
まだ見たことない表情の盛山さん。
自分の知らない芸人さんの盛山さん。
もっといろんな盛山さんを見てみたいと思ってしまった事も
私は少しだけ気づいている。
「…全然、いいっすよ、見て」
「盛山さんを?」
「あー、ええと、まあ、僕というか画像とか…って何言ってんやろ。ちょお待って下さい」
盛山さんはウウンと少し唸って、二杯目のハイボールを口付けて。
「漫才、やる時観てください。誘います」
と、虫歯のない口にたこ焼きを頬張った。
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天風あおい - ぴぴさん初めまして。今回の小説、盛山さんの魅力をこれでもかと詰め込んだくらいに素敵な小説で、読みながらキュンキュンしてました!本当の盛山さんも、きっとこんな感じなんだろうなって想像すると本当にドキドキしちゃいました。また読ませていただきますね! (2月10日 14時) (レス) @page43 id: ebcd75c8b8 (このIDを非表示/違反報告)
真央 - ぴぴさん初めまして、素敵な盛山さんにドキドキしながら読むことができました終わりが出た瞬間もう読めないって寂しく思いましたまた読ませていただきますねありがとうございました! (11月8日 2時) (レス) @page42 id: 815e84f626 (このIDを非表示/違反報告)
あゆ - ぴぴさん初めまして。ぴぴさんの書く小説を読んで、見取り図とニューヨークが更に好きになりました!どの物語も本人の特徴を凄く捉えていてめちゃくちゃときめきます…!休止中とのことですが、もしまたぴぴさんの作品を読めたら嬉しく思います♪ (9月2日 14時) (レス) id: 869ad398aa (このIDを非表示/違反報告)
ぴぴ(プロフ) - shiinonchanさん» いつも読んでくださりありがとうございます☻❤︎❤︎ものすごく理想の彼氏を私も反映させておりますゆえ趣味が一緒という事ですね!!!!そんな嬉しい事ばっかり言っていただけて嬉しいです(..◜ᴗ◝..)♩ (5月24日 9時) (レス) id: b6f7e28a9f (このIDを非表示/違反報告)
shiinonchan(プロフ) - こんな彼氏最高すぎます!❤︎なんかもぉ盛山さんがすごいリアルで本物の盛山さんもきっとこうなんじゃないかって想像できちゃうのですごく物語に入り込めて読んでて幸せです〜❤︎ありがとうございます❤︎ (5月21日 2時) (レス) id: ea4b977ca3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ぴぴ | 作成日時:2023年2月15日 1時