春ですね k ページ6
｢は、は、は……へぁっ……くしょん！！！！！｣
｢？！｣
びっっくりした！
せっかく昼に作った炒飯落としかけた、危ねぇ！
｢風邪かー？大丈夫かー？？｣
｢違うよ…毎年恒例の、花粉症だよ…｣
机の上に昼飯である炒飯を置いて、ずびずびと鼻をかんでいるAを見れば、鼻はかみまくったのか赤くなっているし、目も充血していてなんだか痛ましい
もーだめ、とへらへら笑っているのがなんとも可哀想だけど、花粉症となればこちらもこのまま見てるだけではいかない
｢ほらもー！擦るから目赤くなっちゃってるでしょ！！こら！！！目薬！！！｣
｢だって目薬怖いんだもん！やだ！！！｣
｢だめです！！！許しません！！！｣
目薬を装備してじりじりと近寄れば、それに合わせて後ろに逃げていくA
小学生みたいにやだやだと言いながら逃げ回るAを追いかける
｢おら！観念しろ！｣
｢ｷﾞｴ-！目薬やだ！怖いよきっくん！！！｣
首根っこ掴んで引っ張って、胸の中にAを引きずり込む
一緒に座り込んでちょっと押してやれば、ぽてん、と床に全身が投げ出されるA
そのままゴロンと仰向けにしてやれば、胸の前で両手を握って祈りのポーズして、神よお助けを……なんて呟いてやがる。なにそれ可愛い。
こういう時は男女の力の差って可哀想だけど便利だよね
あと単純に、されるがままのAが可愛い
｢くっくっく…！この漆黒の堕天使にかかれば、そなたに目薬をさすことくらい容易いのであーる！！！｣
｢ううう…神よ……！！！神よお助けを……！！！｣
逃げようとしてるAを膝枕をしてやれば、諦めたのか大人しく眉を潜めて両目を開けている
｢きっくん、優しくしてね？絶対だよ？｣
｢えー？そんなのやってみないとわかんないよー！善処はする！｣
あざとく上目遣いでおねだりポーズをとるAは、確実に狙ってるし、それがまた可愛いのが悔しい
｢はい！しゅーりょー！お昼食べるぞー！！｣
｢やったー！！！炒飯！炒飯！｣
さっきまで情けない声で逃げ回っていたとは思えないくらいのテンションで、きっくんのご飯が世界で1番美味しいねえ、って微笑まれれば、いくらでも甘やかしてやりたくなる。
それに、花粉の飛散はまだしばらく続くとニュースには出ている
うん。春はやっぱりコレが、楽しみだ。
｢は、は、ぶえっくしょい！！！｣
｢きっくんも花粉症じゃない？！？！｣
｢それはない！！！断じてない！！！絶対！！！｣
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