イケメンディズ (ページ4)

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奇跡の歌声ページ4

最終審査は特技だった。

私の名前が呼ばれステージの真ん中に立つ。
音楽が鳴り始め歌を歌う。

〈あれはなんだ！〉

ペンを置いて立ち上がる社長。

美しい歌声に
美しい音程。

会場にいる人々がうっとりするように
引き込まれ聴き惚れていた。

〔めっちゃくっちゃ歌うまいじゃん。〕

そこにやってきた櫻井翔、

『誰が歌ってる！！』

《翔。》

〈エントリーNo.7の一之瀬歩だ。〉

そして結果発表。

〈今日、オーディション受けてくれた皆様

お疲れ様です。私たちと一緒これからデビューし

てもらう新生のスターを発表させてもらいます。〉

照明が暗くなり発表と同時に
証明スポットが当たる。

〈エントリーNo.7。一之瀬歩くん。おめでとう。

君には驚かされるシーンが沢山あった。

最初は不合格だったけども。君の歌声には人を感動

させる魅了がある。私はそういう逸材を探してい

た。君にぜひこの3人とグループを組んでデビューし

てもらいたい。〉

申し訳ない気持ちと
まさか合格するとこれぽっちも思わなかった。

だから、今私の心は複雑。

そしてこの3人って！！！！

会場への道を教えてくれた人。
受験番号をくれた人。
そして...

あの人と目を合わせると
怖くて咄嗟にそらす。

会場を後にすると松本さんがやってきて、

［優勝おめでとう。］

「これってそちらが仕組んだことですか？」

［違うよ。僕は何もしてない。］

「母は今、どこで何をしてるんですか？

教えてください！！」

［今は何をしてるのかは分からない。

最後に会ったのは5年前だから。

君が入ってくれるなら僕は全力でサポートする

よ。］

私のこと知ってるなら...

「あの...あの...っ...」

［知ってるよ。君が女ってことは。］

「だったら尚更。」

［こうするしか方法がなかったんだ！！

君と生き別れたお母さんを合わすために。］

「...分かりました。なら、母と会えるまでなら。」

［ありがとう。］

そしてずっといた児童施設を出て
みんながいる場所へ向かった。