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第三十話  主人公side ページ44

自分でもびっくりするくらい弱々しい声。

『分かったわ。あの時の公園に来てちょうだい』

「うん…。あ、切らないで…」

つい言ってしまった。

「あ、ゴメン。何でもないの。気にしないで」

『そんなこと、出来るわけないだろ…』

「えっ?」

『すぐ行く。待ってろ』

ガチャという音が聞こえて、はぁ、はぁと息づかいが聞こえてきた。

「玲央…」

切らないで走ってくれている。

バッとカーディガンを手にとり、家を出た。

後ろから呼び止める声が聞こえていたが、そんなので止まれなかった。


「はぁ、はぁ。っ、玲央…!」

静かにブランコの側にたたずむ玲央に少しドキッとした。

玲央はニコッと微笑み、ケータイの通話を切る。

「彩ちゃん。どうしたの?珍しいわね」

「ごめんなさい…わがまま言っちゃって…」

「いいよ、たまにはわがまま言えよ」

頭をぽんぽんとしてくれる。

それに、いつもと違うしゃべり方。

「彩、好きだ…」

「うん。私も、玲央が思ってくれるより、大好きだよ」

「はは、サンキュ」

キィときしむブランコに乗り、話をし始める。

「俺さ、綾菜と別れたよ。振られた。好き、って言ってくれないからだとよ」

儚げだけど、少し嬉しそうに微笑む。

「じゃあ、後は私だけだね」

「焦らなくていい。ゆっくりでいい。待ってるからな」

「…うん。ありがとう、玲央」

そして、私達は電灯の光と月明かりしかない公園で唇を重ねた。

第三十一話  主人公side→←第二十九話  主人公side



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- 征十朗じゃなくて、征十郎ですよ。 (2016年2月13日 18時) (レス) id: e9c8f0716a (このIDを非表示/違反報告)
幸村美咲(プロフ) - と&も&えさん» ありがとうございます。レオねぇカッコいいですよね!これからもよろしくお願いします! (2015年8月18日 14時) (レス) id: 4a46a7ef80 (このIDを非表示/違反報告)
と&も&え - 僕これ見てもっとレオ姉好きにナッチャッタ!!! (2015年8月17日 23時) (レス) id: 6f0ea2721c (このIDを非表示/違反報告)
幸村美咲(プロフ) - satoさん» ぽいですか?wオネェなので、こんな感じかな?と。コメントありがとうございます。これからもよろしくお願いします。も (2015年8月13日 15時) (レス) id: 4a46a7ef80 (このIDを非表示/違反報告)
sato(プロフ) - 実渕先輩、何か、乙女? (2015年8月13日 15時) (レス) id: 2bb3a92db8 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:幸村美咲 | 作成日時:2014年2月20日 22時

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