好きの想いは永遠に。【探偵チームKZ事件ノート】

電話。 ページ5

＊
私は帰ると急いで、電話をした。
電話番号を押す指先が、少し震える。

呼び出し音が鳴ってすぐ、翼は電話に出た。

「もしもし？」

『もしもし翼、結愛だよ。』

「あぁ、結愛か。どうしたの？」

ふふっ。これを聞いて翼は、どういう反応するかな。

『あのね、翼、彼女いるでしょ？』

「うん、いるよ。」

少し嬉しそうな声。
でもそれも今の内。

『私、その彼女が、別の男と帰ってるの見ちゃったんだ。』
なるべく真剣な声で話す。

すると翼はクスッと笑った。

・・・え？
てっきり、慌てたり、怒ったりするかと思っていたのに。

こんな反応、アリ？

「それ、どういう奴だった？」

声に笑いを含んでいるのは、なぜだろう。

『えーとね、身長が低い人、だったかな。』

私がそういうと、翼はよりいっそう笑いを大きくした。

「それ、俺のダチだから。」

『でも、浮気に変わりはないじゃない。』

「俺からお願いしてるから、平気。」
え・・・？

「俺、ハイスペックっていう塾に通ってんの。それでアーヤの送り迎えが出来ないから、アイツにやってもらってる。」

私の想像を遥かに上回る答えだった。

『そ、そうなんだ。よかった。』



なぁんだ、私の、負けじゃん。

立花彩ちゃん、愛されてるんだね。




でも、私は貴方に、いつか勝ってみせるから。

絶対にね。

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