尾浜くんに妥協されました！

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話が終わったあと、それぞれが連れと合流した。

「いやー...この面々を見ると、八左ヱ門が可愛そうだな」

「しょうがない。毒虫が逃げてしまって対応に追われているんだ。委員長代理は大変だな」

　尾浜さんと鉢屋はハハハと笑う。八左ヱ門...お土産を買って帰るよ。

　...鉢屋の尾浜さんを見る目が少しだけ鋭い気がする。一応、尾浜さんは先輩に告白してるわけだから、恋敵なのかもしれない。
　男も大変だな...

『不破さん、志位がお世話になってます』

「そんな、こちらこそ、熱心にお手伝いしてくれるので、とても助かってます」

　初ではないが、数少ない図書委員との対面。お互い深々とお辞儀をする。
　不破さんはとても好印象の男性。今回は逢引では無かったものの、是非うちの志位(C)を贔屓にしていただきたいところ。

『志位、不破さんとは仲良くしたほうがいいと思うよ』

「う、うん...？そっちこそ、尾浜とか久々知は大事にしときなさいよ。鉢屋は雑でいいから」

　二人で鉢屋に目を向けると、こちらに気づいた彼はニコッと笑いかけてくる。志位は中指を立てた。
　さっきも険悪な感じで話していたから、この二人は不仲なのだろう。同級生なんだから、仲良くすればいいのに。

　
　そのまま何もなく6人で帰路についた。しかし、私としては、想いをしっかり伝えられたことが、何よりの進歩だと感じた。

◇◇

「A、志位と出かけたんだって？いいな〜！私も行きたかった...」

　翌日の座学で、濔(D)に話しかけられた。
　そう言えば、タカ丸さんの話をまったく濔にしてなかったかも。看病してもらった日以来、というか、その日も久々に話したな...

『そういえば、カリスマ髪結いの人のこと話してなかった』「あぁっ！それ！其れかそれもそうなんだけど！その髪結いの人が、忍術学園に編入してくるらしいの！今日から！」

『今日から！？』

　タカ丸さんてば...あの人は何してるの！？一人で辻斬りをするより得策かもしれないけど、編入って...
　数日前の迂闊さが頭に浮かぶ。考えれば考えるほど、年齢も加味して心配になる。

　会って確かめないと。


　昼の食堂であれば出会えるだろう。と考え、その間の数時間をソワソワしながら過ごした。

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