尾浜くんに妥協されました！

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『...あれ...？私、尾浜さんと縁側で...』


目が覚めたときには、翌朝だった。

尾浜さんがくのいち教室まで運んでくれたらしい。濔(D)が部屋に来て教えてくれた。


「用具委員会に来てたんだってね。食満先輩が教えてくれたよ。

私、その時お使いに行ってて、手伝ってる姿見せられなかった...力仕事もあるけど、私、用具委員会入ってよかったと思う。」


濔はおっとりしていて、用具委員会に合わないんじゃないかと思っていたが、良くやっているらしい。

それは良かった。


『！あ！私、昨日遊里行ってない...』

「それなら、忍たまの実習で補ってあるから大丈夫。！そうそう、遊里と言えば、Aの店の憂屋(うれいや)、凄腕の髪結いが来てるらしいよ！今日行ったら、どんな人だったが教えてね！」

『？うん...』


濔が部屋を出ていったあと、はぁ、と深く息を吐いた。

遊里とは、くのいちが実習でよく利用する大人の店だ。
私達五年生は、4年生の頃に下っ端として店に勤め、一年で客をもらえるようになっている。
その中でも、私は憂屋という、ちょっと高めの店で働いているのだが、昨日の仕事をサボってしまった。

ここまでは私が知っていること。濔によると、その穴埋めは忍たま上級生がたまたましてくれたらしい。

学園長先生が酔った勢いで、迷惑な思いつきをされ、
「忍たま上級生は、わしのお気に入りの店で、〇〇城の情報を取ってくるのじゃ！因みに、如月さん達には内緒じゃ。」
とかおちゃめに言ってたそうな。

まぁ、今回は本当にたまたま埋められたし、学園長先生には感謝しよう。...八左ヱ門との約束もぶっぱしちゃったしね...


『さ、今日こそは八左ヱ門の手伝いをしに行こうかな。予算案の提出期限も、昨日は会計委員会の上級生がいなかったから伸びただろうし。』

昼過ぎまで寝た休日。今日は忍術学園はお休み。だが、長期休暇ではないため、殆どの生徒が学園内に留まっているはずだ。

ぐっと伸びて、井戸のそばで顔や体を洗い、制服に着替え、柵を超えて忍術学園へ走っていく。


なんだろう、今日は変にスッキリしている。悩みを打ち明けたからかな？
...何はともあれ、尾浜さんに昨日話せてよかった。出来ればもっとあなたについて教えてほしいけど。

◇◇

彼女から、貴方のことで悩んでいると言われた。

確かに、俺は会いたくても会えないし、何も教えてあげられていない。

だけど、俺のことを考えてくれていると思うだけで、顔が緩んでしょうがない

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