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「ここ…で合ってるよな?オサム」
「ああ。」
昼休み、ミドリカワに指定された場所にクニチカさんを連れてやってきた。
ちなみにオサムは心配だから、と言ってついてきただけ。
「ミドリカワ…どこかで」
と呟くクニチカさんに目をやると、そのタイミングでミドリカワが走ってくるのがちらり、見えた。
ミドリカワも忙しい奴だなと腕を組んで到着を待つ。
「ごめ〜ん、遊真先輩、国近先輩。…と、三雲先輩?なんで?」
とオサムに疑問の目を向けたミドリカワに、俺はこう答えた。
「オサムは面倒みの鬼だから、ついてきた。」
そう言うと、ミドリカワはそっか、と興味なさげに言ってクニチカさんの方を見た。
「国近先輩…あ、先輩のお姉さんの方ね。から話聞いてるよ、この辺のこと教えて欲しいんだっけ?」
「ああ、うん。…ところで、ミドリカワくん?だっけ。下の名前は…?」
おずおず、と言った様子で言ったクニチカさんに、ミドリカワは頭にクエスチョンマークを浮かべて答える。
「駿…だけど?」
「…、やっぱり」
クニチカさんは嬉しそうに笑った。
「あの時の、駿くんなんだね」
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