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空閑side
俺達の事をボーダー隊員と見抜いた彼女は、特に何もしていないのに酷く疲れた目をしていた。
「そう…だけど…。国近さんこそ、もしかしてお姉さんが居たりする？」
オサムも、この機会を逃すまいと疑問をぶつけた。
すると彼女はパッと表情を明るくさせてオサムの手を握った。
「見つけた、お姉ちゃんの知り合いさん！」
「えっ…？」
どういう訳か、クニチカ先輩はクニチカさんにオサムの事を話したらしくとても嬉しそうだ。
「空閑〜、後輩が呼んでるよ〜」
丁度そのタイミングでミドリカワが俺の事を呼んだのでオサムに一言言ってその場を離れた。
＿＿＿＿
緑川side
「どうした？ミドリカワ。珍しいな。」
遊真先輩を呼び出した理由は2つある。
「今日暇？よねやん先輩達と混合チームで模擬戦するんだけど、人が集まらなくてさ〜。」
遊真先輩は少し悩んだ後、快くOKしてくれた。
理由の一つ目はこれ。
二つ目は、
「そういえば、今日国近って人が転校して来たでしょ。国近先輩…あ、オペレーターの方ね。に、「我が妹をよろしく！」って言われたんだけど…」
「ふむ、そうなのか。…確かに転校してきたぞ、クニチカさん」
遊真先輩の指差す先には、何だか微かに見覚えのある姿が色んな人に囲まれていた。
「あちゃー、遅かったか。とりあえず遊真先輩、昼休みになったら国近さん連れて体育館の近くの時計の所に来てくれない？」
わかった、と遊真先輩は言った。
引っかかるのが、妙に胸騒ぎをさせるたくさんの人に囲まれたあの後ろ姿だった。
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