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#35 ページ35







その日、





俺の隣に来てくれなくなったAの元へ、





俺から行った。






笠松「A」



『先輩…』



笠松「今日、一緒に帰んねぇか?」



『えっ…?』



笠松「お前に、言わなきゃいけないことがある」



『っ…!分かりました、帰りたいです!』





久しぶりに見た、Aの笑顔。





この笑顔が、ずっと見たかった。





なんて、彼氏でもねぇのにな。













『お待たせしました!』



笠松「おう、おつかれ」



『すみません待たせてしまって』



笠松「大丈夫だ、黄瀬には言ったのか?」



『はい!言ってあります!』



笠松「よかった」





2人きりは久しぶりで、妙に緊張した。





『あの、先輩、話って…』



笠松「…俺な、大学決まったよ。」



『おめでとうございます!!!』





まるで自分のことのように喜ぶAがどうも愛おしくて仕方なかった。





笠松「あと今までごめん、避けてて」



『あ、いえ、大丈夫ですよ』





大丈夫じゃないくせに、そうやって強がる。





笠松「Aがさ、15番教室で男とキスしてるとこ見ちゃって、彼氏いたんだって勘違いしちまって…」



『そうだったんですね。……あのときは、告白されて、いきなりキスされて、って感じだったんです。』



笠松「そうだったんだな、ごめん」



『いえいえ、誤解が解けて良かったです』



笠松「んでさ、」



『はい』





胸が高鳴る。





恋愛経験豊富な男だったらここら辺でかっこよくて告白するんだろうな。





笠松「もうAが他の男とキスしてるところなんて見たくねぇって思ったんだ」



『っ…先輩…』



笠松「だから、俺と付き合ってくれねぇか?Aが好きだ。」






あー、こんな定番のセリフしか言えない俺って何なんだホントに。






『先輩、私、ずっと先輩のこと好きでした。私でよければ、お願いします!』





真っ赤な顔と、



満面の笑み。





俺が大好きな笑顔。





笠松「A…。」





俺は、気付いたらAを抱き締めていた。





『っ…!』





小さく聞こえるAの嗚咽を漏らすような声。





体を離すと、Aが涙を流していた。





笠松「ちょ、なんで泣いてるんだよ」



『ずっと先輩に嫌われたんじゃないかって、不安だったんです』





そう言ったAに、





笠松「俺もだよ」





と返した。





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はろ。(プロフ) - めちゃめちゃ最高でした!!!! (2022年12月20日 18時) (レス) @page43 id: a719d361a2 (このIDを非表示/違反報告)
天の川 - 最高っす 笠松パイセンの初々しさが最高 (2020年5月18日 19時) (レス) id: 348cf1e7b1 (このIDを非表示/違反報告)
mi…(プロフ) - まゆさん» 冬休み頑張ります!!コメントありがとです! (2019年12月17日 7時) (レス) id: 4065260f63 (このIDを非表示/違反報告)
まゆ(プロフ) - キャー、笠松さん可愛いです! (2019年12月16日 23時) (レス) id: 69e59c5c29 (このIDを非表示/違反報告)
まゆ(プロフ) - 続きが気になります!更新楽しみにしています! (2019年11月16日 16時) (レス) id: 69e59c5c29 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:mi… | 作者ホームページ:I don't have.  
作成日時:2019年10月31日 21時

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