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42話 確保! ページ2

一松side

ゴキブリが出現してから数分後、お母さんとAげっそりした顔で戻ってきた。母さんは手にガザガサと音がするポリ袋を持っている。

「ハ…、ハァ…。こいつめ…、せっかく自然に帰してやろうってのに…。散々逃げ回った挙句私の顔にくっつくなんて…!絶対に許さないわ…!」

そう口では言いつつも、母さんは褐色の昆虫を野に放してやっていた。と、母さんは俺の視線に気が付いたのか、ふとこちらを振り向き、少しため息をついた。

「まったく、参っちゃうわよ。まさかゴキブリが出るなんて思ってなかったわ。まぁ、この私の力の前じゃあ、あんな小動物、敵じゃないわよ。」

「あんなに怒ってたくせに…、旅行行く前に体力消費させてどうすんの…、母さん。」

呆れて俺がそういうと、母さんは曖昧に微笑んだ。

「おーい、母さん、一松ー!早く車に乗れよー!」

おそ松兄さんが大声で俺らを呼ぶ。

「はーい!今行くわよー!」

母さんは明るく答えた後、その笑顔をそのまま俺に向けた。

「一松、熱海なんて初めて行くでしょ。お母さん、実は何回も行ったことがあってね、いい所よ、あそこは!そうそう、お父さんとの新婚旅行も確か熱海だったわねぇ。」

「へぇ。そうなんだ。」

そんな事を話しながら僕と母さんは車に乗り込む。ほどなくして、車は熱海に向けて発進した。

まさかあんなことが起こるなんて知る由もなく…。

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作者名:ゆずこう x他1人 | 作成日時:2017年1月14日 22時

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