ご加護のつく少女は見習いです。【ブラック本丸】 (ページ22)

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拾陸.動揺です。ページ22

今のAの顔は無表情である。だが、心のなかは

　え、どどどどうしよう。どどどどらえ○ん。何か秘密道具を。

　あ、いないわ。あははは。

いや、笑ってる場合ではない。

　歌仙さん達に助けを求める？いや、喋ったら切られる。

　包丁くんの頭を撫でて泣き止むのを待つ？いや、動いたら首が胴体とさよならしちゃう。

　 …何しても切られるじゃん。ナンテコッタ。パンナコッタ。

動揺しすぎて壊れていた。

歌仙「…貴殿、刀を納めてくれないか。彼女は彼にお菓子をあげて手入れを約束しただけだ。彼の涙は安心した涙ということだ。」

『(え、そうだったの？)』
ここでようやく涙の理由を知ったA。

もう少し早く教えて欲しかったと言わんばかりの顔で歌仙を凝視している。

包丁「や、薬研兄、歌仙さんの、言ってることが正しいよ。俺が自分で泣いたの。。見習いさんは悪くない。」

薬研「っは、信用ならねえ。お前が騙されてるかも知れないぞ？何でそんな簡単に信じられる？また、あの時みたいになりたいのか？今度はお前かもしれないし、俺っち、、俺かもしれない。」

　おっと、言い直したぞ？僕、薬研くんの俺っち、好きなんだけど。今後聞けないとか嫌だよ？
　「あの時」っていうのも何か関係してるんだな？審神者か？審神者だな？

よし、ちょっと探しに((包丁「み、見習いさんはそんなことしない！！手入れするって俺に誓ってくれた。俺は信じる。」あ、今修羅場だった。

…何か包丁くんと話し始めたんだけど、いい加減、刀をしまってほしい。めっちゃ怖い。説得して。みんな。何ならほめ倒してくれてもいいから。

蛍丸「…俺も国俊も手入れしてもらったんだよ。国俊が、ずっと動けなかったの君も知ってるでしょ？」

愛染「審神者と違ってこの人の霊力、すっげえあったかいんだぜ！お菓子もご飯もくれるしな！」

　そ、そうだそうだー。霊力はどんなか知らんけど、三食、お菓子付きだぞ。いい見習いやぞ。安心しろー。
と、心のなかで思いながらもAはずっと無表情である。

薬研「…そうか、なら俺、から直してもらおうか。兄弟全振り直してくれるんだろ。そこは信じてやるぜ。」

　ちょっと上から目線なのがかわいい。

薬研の方を向いて目を合わせながら言う。

『…俺っち、って言ってくれたら良いですよ。』

包、薬「「え？」」