俺様何様赤司様。【赤司征十郎】

vol.29 ページ29

翌日から、まだ休めと言われたけれど

私は仕事に復帰していた








何もしないでいると考え事しちゃうし…

どんどん被害妄想は膨らんで病んじゃうし、








向かいの席で仕事をしている彼は
いつもと変わらないし相変わらず

仕事をしている時だけは素敵な男性。







プライベートは……やっぱり俺様男だ








赤『おい、何をボーッとしている』



『っえ、はい。すみません……』








彼は立ち上がり、こちらへ向かってくる。



何をされるか、なんてもうわかってる

だから余計に考え事が膨らんだ。






彼は結婚するのかもしれない……

もしそうだとしたら今現在、交際相手がいる







だったら何故？

私にキスしたり優しくするの……







やっぱりただからかってるだけ？

俺様男なら、やりかねないし……









そう考えている間に彼は私の顎を掴んだ






赤『なぜ、そんな顔をしている』



『…え？な、何か…変でしたか？』









すると彼は私の目元を優しく撫でた。








赤『欠伸でもしたか、涙が溜まっている』




『…！、あ、えっと…そう、です』








嘘……何私、泣いてんの。


意味わかんない……








慌てて目を擦り、彼に向き直ると

まだ痛むなら無理をするな




そう言って頭をぽんと触った









ドクッと胸が鳴り、驚いた私は
気を取り直すようにパソコンに向かう









全てを忘れようと、ただひたすら仕事をした






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